本編
□妨害
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翌日。俺とカネダは二人で学校に行った。そして休み時間も二人で過ごし、給食も二人で食べた。タミヤはそんな俺達をチラチラ見ていたが気づかないフリをした。
なんてったって今日は一日カネダから離れる訳にはいかないのだ。
キーンコーンカーンコーン
「カネダ、一緒にクラブ行こうぜ!」
「うん!」
放課後チャイムが鳴り、もちろん俺は皆が席を立つ中でカネダに声をかけた。カネダも喜んで返事をしてくれた。タミヤとダフの事が気になる様だが、それでも俺と一緒に来てくれた。
「それにしても、今日の午後の授業眠かったなぁ」
「スミレ、寝そうになってたもんね」
「仕方ないだろ、飯の後は眠いんだよ」
カネダはあははっと笑った。どうやらだいぶ元気になってくれた様だ。
クラブへの道の中、俺とカネダは二人で他愛もない話をした。
それだけで充分楽しい。
しかし、そんな時間も長くは続かなかった。
「きゃはっ珍しいね。二人が一緒にいるなんて」
それは後ろから聞こえた高く美しい声だった。振り返るとそこには人差し指を顎に当て、妖艶に笑う男がいた。
「ジャイボ...」
「スミレとカネダって仲良かったっけ?」
現れたジャイボはクスクス笑いながら近づいて来る。俺は少しだけ前に出てカネダを庇うようにして立った。
「スミレ?」
「...」
カネダの不思議そうな声が聞こえたが、俺は構わずジャイボを睨む。
「あれれ?どうしたの?そんな怖い顔しちゃって...」
そう言いながらツカツカ近づいて来るジャイボ。俺はカネダを庇いながら少し後ずさった。
ドクッドクッと心臓が音をたてる。
するとジャイボのもう片手にキラリと光る物が見えた。
「っ!!」
「わっ!スミレ!?」
俺はそれを見た途端、カネダの手を掴み走り出す。カネダは驚いていたが、それどころではない。
俺は無我夢中で走り、クラブへとたどり着いた。
「ハァ...ハァ...ゼェ、ど、どうしたのスミレ?」
「ハァ、ハァ...」
クラブの入り口で止まり、俺達は息を整える。カネダの言葉に俺は何も言えなかった。
なぜなら...