Children of Chaos Final Fantasy XIII

□第10章 束の間の平安
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「難儀な子ですねえ」
「……すみません」
「う〜〜〜」
帰国してすぐ、テイルは妹のネイルにホープの健康診断を受けさせた。
しかし、研究者のホープに警戒したのか、彼女は兄から離れようとしなかったのである。
それでも、問題なくできるあたりにオーバーテクノロジーをかいまみることができるのだが。
「結果は?」
「やはり言語能力が乏しいですね。と言うか、彼女は先天的に言語を理解はできても使用は不可能になっているようです」
「………そうですか」
「………」
薄々予想はできていたとはいえ、落胆を隠せないテイル。
それをネイルが不安そうに見つめ、ホープがふと微笑む。
「ルミナの『アレ』は、もう?」
「ええ。一応は」
『アレ』とは、ルミナの編み出した神の力の使い道の一つで、『達意の言』という。
その内容は「全言語自動翻訳チート」である。
「それがあるなら、何らかの手段で補えますよ」
「本当ですか!?」
「ええ。早速取り掛かりましょう」
「………ん」
頭を下げ、謝意を示すネイル。
ホープはそれを微笑ましげに見やると、顔を引き締めて作業に取り掛かった。
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