Children of Chaos Final Fantasy XIII

□第9章 決意の少年
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「………」
「どうする?これから」
建物から外に出て。
そこまでの沈黙を破って、レインが問う。
「……後は、ここの連中が何とかするだろう」
「うん。私たちにできることはもう、したよ」
「おい、テイル!」
ビートが手を振りながら駆け寄ってくる。
「妹を助けてくれて、ほんとにありがとな!」
「………、え、ええ……」
「……なにか、あったのか?」
「……母が亡くなりました」
「……そうか」
再びの沈黙。
「……まあ、なに、最期に会えてよかったじゃねえか」
「……ええ。ですが」
「な〜に暗いツラしてんだよ!」
いきなり割ってはいるファング。
「おめーら、立役者が何を落ち込んでんだ」
「……母が、亡くなって」
「はあ?……ああ〜」
そしてテイルの顔をじっと見て吹き出した。
「何がおかしいんですか!」
「いや、まあ、おめーも、成長したなあ、と」
笑いながらも解説するファング。
「初めて会ったときは顔色も全くかわりゃしねー可愛げねーガキだったのによ、ちゃんとそーゆーことできるようになったんだなあ、と」
すこしの沈黙の後、テイルも苦笑した。
「……そうかも、しれませんね」
「……てか、その背中のがきゃ何だ?」
「僕の妹ですよ」
「……お〜なるほど、言われて見りゃあ、よく似てる」
少女は未だ、ぐっすりと眠っている。
「それで、これからどうすんだ?」
「一度、帰ります。この子もつれて」
「わかった、うちらも行くぜ」
「……うちら?」
何となく、波乱の予感である。
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