Children of Chaos Final Fantasy XIII

□第3章 道を追って
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「ようし、いっちょ上がり」
「こちらも終わりました」
僕らはモーグリとともに旅を続けていた。
まだルミナとアルナとは再会できていない。
最近あった大きな変化は、
「いやー、意外と使い勝手使い勝手いいな、お前」
「意外は余計クポ!」
レインが武器を入手したことだろうか。
前日出会った謎の生物"モーグリ”は、武器に変身する能力を持っていた。
その名も弓剣"メタモルシューター”。
ちょっとファンシーな気もするそれは、弓と両手剣、二つを兼ねる遠近両用武器。
レインはかなり気に入っているが、
「彼を里に送るまで、何ですよね…」
「そーなんだよなあ…」
そう。
彼(なのか彼女なのかはたまた性別なんて存在しないのか)とその仲間達が住む『モーグリの里』は神殿のすぐそばらしく、旅は道連れ、と同行することになったのだ。
「ま、どうにかするさ」
「………」
気楽すぎる。
とはいえ、僕たちにどうにかできるわけでもなし。
「まあ、気楽に行きましょうか」
そんなことを呟いて、先へと進む。


lumina:side


「な、なんとか、なったん、だよね?」
「たぶんね…」
応えるシロガネも息が荒い。
ついさっきまで2人は、100匹ぐらいはいた魔獣の群れに襲われ、ようやく撃退したところだった。
「まあ、2人とも生きてるんだし、上等じゃない?」
「………」
応える余裕すらない。
そこらの壁にもたれ掛かり、ようやく息をつく。
シロガネも同じようにしようとした。
その次の瞬間。
「「?!」」
ルミナに新手の魔獣が襲いかかる。
動けない少女をシロガネが庇う。
「?!…いやぁぁぁ!!」
もう間に合わない。その筈だった。
が、その時。
ルミナの胸のあたりが純白の輝きを放ち、
時が止まった。
文字通り。
「?……な、何が?」
「え、ええぇ…」
一番驚いたのは、
殺れると確信していた魔獣達ではなく。
死を覚悟した騎士でもなく。
騒ぎの発端である少女だった。
「一体何が……」
「こっちが聞きたいわ」
気を取り直して敵を倒したシロガネの突っ込み。
その直後、少女は胸を押さえて苦しみだす。
「ちょっ、ちょっと、大丈夫?」
「あう……うん、多分……」
膝までついていたわりに、あっさりと立ち直る。
かといって演技でもなさそうだ。
(まあ、そんなに深く考えることでもない、か)
そう軽く考えたシロガネは後悔することになる。
これは1人の少女がその範疇を超える予兆だったのだから。
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