Children of Chaos Final Fantasy XIII

□第13章-α 時の迷子
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「…う〜ん…」
気が付いたらまた見たこともない場所。
「なんかいい加減に慣れてきちゃったなあ」
周囲を見ればおそらく路地裏。
とりあえず街中ではあるのだろう。
「…帰る方法を探さなきゃ」
そんな呟きとともに表に出ると…
「うわぁぁぁぁ…」
思わず感嘆の声が出た。
空を飛び交うエアカー(?)、地上も動く歩道、宙に浮かぶホログラムの宣伝…
これでもかというほどの未来都市。
「こんなの見たことも聞いたことも…ん?」
少し考えて思い出す。
見たことはなくても聞いたことならある。
「まさか、アカデミア…?」
もしそうなら、ここは…
「世界が壊れる、前…」
そうだとしたら、未来を…
「…ってそれより、帰る手段を探さないと」
そう決めて歩き出そうとした矢先。
「っ!」
魔物の気配!
「何だ⁉」「こちら警備隊、北西地区157-035地点にパラドクス発生!至急応援求む!」
魔物に警備隊が銃を向ける。
「打て打て!」「隊長、効いていません!」
怒り狂った魔物の爪が彼らを襲うーーー
「っああぁぁぁぁぁ!!」
間一髪のところで飛び込むルミナ。
「⁉⁉」「こ、子供⁉」
戸惑う警備隊。
そしてお構いなしに爪を振り下ろす魔物。
「い……っけえ!」
しかしそれより先に轟雷が魔物を貫いた。
断末魔すら上げる暇なく消える魔物。
「おい、君…」
警備隊の一人が恐る恐る声をかける。
「あ……」
ルミナは振り向こうとしたが、ふらりと視界が揺れた。
あ、これ気を失う前兆ーーーその思考を最後に彼女の意識は途絶えた。
「君⁉大丈夫か⁉」
『…こちらアカデミー本部。警備隊、何があったか報告せよ』
「ええと…」
介抱する隊員を見やりながら、どう説明したものかと迷う隊長。
今日は厄日だな。そんな思考が頭を掠めた。
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