Children of Chaos Final Fantasy XIII

□第11章-ε 留守番の成果
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「ふっ、やっ…」
槍を振り、兄の帰りを待つだけの日々。
(…いい加減終わりにしたらどうだ?これだけじゃ兄貴に勝てねえだろ)
「…そんなの、わかんないでしょ」
嘘だ。勝てないことはわかりきっている。
それでも、ただただふるい続ける。
そうしないと、色々考えてしまうから。
(あのな、ネイル)
「言わないで」
(………)
「ネイルは、兄ちゃたちみたいに強くないから…」
だから、怖い。きっとそれは、兄ちゃたちやベーターーーもう一人のネイルーーーにもわからない。
きっと、誰にも……
「っ!」
砂を踏む音に気付いて振り返る。
足音の主は、ネイルが警戒心マックスでにらみつけると、目をしばたたかせた。
「………」
「………」
静寂の中、ネイルはその主が誰かを思い出した。
確か、名前はマナ。兄ちゃたちの友達だけど、普通の人間のはず。
「………」
「………」
彼女はただ、静かにたたずんでいた。
ネイルを、優しい目で見つめながら。
(何だろうあの目、全部見透かされてるような…)
そんなことを考えて、そんなはずはないと思いなおした直後。
「…戦うのが、怖い?」
「…っ!!」
(ネイル⁉)
キィィィィィン!
刃と刃の打ち合う音が響いた。
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