Children of Chaos Final Fantasy XIII

□第11章-γ 行方不明は呆気なく
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「ぜーーーーーったい、人選ミスだろ、これ」
仕事の内容を確認して以来、ずっと言い続けていることである。
「何が悲しくて、よりにもよって、アタシの仕事が、人探しなんだよ、ったく、こーいうのは、ルミナとか、テイルの方が、得手なんじゃねーのかよ、くそ」
人気のない路地を歩いているのを良いことに、ぼやき続ける。
「まあ、言ってもしゃーねーし、やるとしますかねえ……ん?」
「お嬢ちゃーん、俺たちと遊ばなーい?」
「何だ、チンピラかよ」
アルナばりの溜息をつきつつ、とっとと退散しようとした、そのとき。
「あ、あの、助け……」
「黙れっつってんだろ、ガキ!」
小さな女の子の声がして、恐らく殴ったであろう音が聞こえる。
逃げようとしていたレインは即刻振り返った。
「何?俺たちと遊ぶ気になった?」
「おうよ。つー訳で、だ」
「ひ!な、何だそれは!」
レインが手の上に出した火球にひきつった声を出すチンピラども。
しかし。時すでに遅し。
「せーぜー楽しみなあ!」
初撃で半数以上が吹っ飛ぶ羽目になった。


数分後。
「……で、だ。無事か、ガキ」
ある者は氷漬け、ある者は丸焦げ、マシな者でも気絶中のチンピラ死屍累累の中、レインはようやく少女に問う。
「え、あ、はい……」
信じられない光景のど真ん中で、戸惑いながらも頷く少女。
「ならいーけどよ、そもそも何でお前みたいな……6、7?ぐらいのガキがあんな連中に絡まれてんだ?お袋さんはどこ行きやがった?」
「ええと……」
おどおどしながらも年相応とは到底言えない態度である。
(このガキ、ただのガキじゃねえ。なんか隠してやがんな)
そう直感し、面倒ごとになりそうな予感にため息をつきつつ、レインは言った。
「……近くのどっかにカフェでもあんだろ。そこで話を聞かせてもらうぜ」
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