Children of Chaos Final Fantasy XIII

□第9章 決意の少年
1ページ/11ページ

「………はあ」
「どうした?ため息などついて」
ルミナたちの家出した日の夕方。
エクレールに問われたマナは少し睨みながら。
「心配じゃないんですか?」
「あいつらか?大丈夫だろう、人外の強さを持ってるからな」
「……そこじゃなくて」
またため息をつくマナ。
「……まだ、子供なんですよ?」
「確かに、子供さ。あいつ一人なら生涯恨まれてでも連れ戻す。……あいつにはまだ、覚悟が足りない」
あいつというのは愛娘のことだろう。
「じゃあなんで」
「4人、いや、5人だからな」
「……ええと、確かにシロガネさんは強いですけど」
「違うさ、そういう意味じゃない」
「じゃあ、どういう?」
「……あいつら4人は、確かに子供だ。人として未熟だ。
 ルミナはーーーーーさっきも言ったがーーーーー覚悟が足りない。いざとなったら気圧されるだろうな。
 アルナは、少し思考が堅い。ノエルに免許皆伝言い渡されるほどの実力はあるんだが、な。
 レインは……言わずもがな、阿呆だ。直情的で、戦略とかには向かないな。
 テイルは、……普段は何でもないように振る舞っているが、少し感情的になりやすい。制御になれていないのかもな」
さくさくと惨い人物評の後、エクレールはふっと笑った。
「だが、揃えばあいつらは『完成』するんだ。お互いに、足りないものを補いあって、な。
 ……私があまり心配していないのは、そういう理由だよ」
「はあ……」
疑わしげなマナだが、口を開く前に声をかけられた。
「あ、いたいたマナさん」
ルミナが残していったファルシ、リーナである。
「これ、マスターから。渡しといてって」
「ルミナから?」
「……!それは」
エクレールが驚くのも無理はない、それは紛れもなくクリスタルだった。
「伝言は、『ちょっとズルいかもしれないけど、みんなをお願い』って」
「………うん、わかった」
「あいつからは、それだけか?」
「はい。ええと、……特にないみたい」
「そうか、……なあ、」
お前は、自分をどう思う?
エクレールの問いかけに、目をぱちくりとさせるリーナ。
「どう思う、って?」
「そうだな……自分がどうして生まれたのか、ということへの感想、か?」
「まあ、はっきり言っちゃえば理不尽だよね」
「……!!」
「でも、さ。子供って、そういうもんじゃない?親の都合で振り回される、か弱い存在なんだし。
 まあ私は、現状に不満はないよ。けっこう楽しんでるし、基本的なことはマスターから継承してるから不自由はないし」
「……そうか」
「あんまり深く考えすぎない方がいいよ?泥沼にはまっちゃうだけだしさ」
「……気楽なことを」
「あはははは」
笑う少女(の姿をしたファルシ)を見、苦笑する2人。
「でも、そうですね」
「ああ。……やれやれ」
次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ