怠惰の魔王は異世界で青春を謳歌する

□第3話 王都とAと武闘大会
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数日後、武闘大会当日の朝。
商人さんの奥さんが徹夜気味で作った新しい防具を身に着け、会場へ向かう。
そして予選。内容は担当の騎士か魔術師に一発入れろ、とのこと。
「さすがに手加減はするよね…」
前の子らの戦いを見つつ少し安心。
そして私の番が回ってきた。
「よろしくおねがいします」
そう言って拳を構えると、騎士さんは剣を構えて「どこからでもかかってこい」と言った。
「じゃあ遠慮なく」
一瞬背後から一発食らわそうかとも考えたが、流石に覚えが悪そうなので却下。
なのでここは正攻法、真正面から。
駆け寄りながら右手を固めると、案の定それを防御しようと構える。
その隙を突いて左拳を鎧の上で止めると、「合格」と言い渡された。
でも流石に学費稼ぎながらっていうのは面倒だし、決勝トーナメントも出て優勝しないと…
そう思いながら暫し待ち。
「それでは皆さん、ジュニア部門、決勝トーナメントの開幕です!」
アナウンスと同時に出場者(私含む)が闘技場の中央に並ぶ。そのほとんどがいかにも貴族然とした者なのに眉を顰める。
学費免除目当てとは思えない。多分名誉とかを狙ってるんだろう。
なんか面倒なことになりそうな予感がしてきた。

決勝トーナメント出場者は私含め8人。
それ以外の予選突破者は棄権したようだ。
そしてしばらくして、私の名が呼ばれた。
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