Children of Chaos Final Fantasy XIII

□第4章 過去と未来
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彼女の豹変は、学校でも話題になった。
彼女の親ですら、驚愕したらしい。
当然だ。余りにも変わりすぎた。
あの一日で、何もかも。

そんなある日、近く卒業式という時期に。
彼女から手紙が届いた。
そのくらい、疎遠になっていた。
手紙には、あの日の公園で話がしたいとあった。
「図々しいわよ、偽エクレールが」
そう悪態はついたものの、私は結局行くことにした。
「来てくれたか、千夏」
「あんたがその名で呼ぶな」
何の用、と素っ気なく聞くと、あっさりと彼女は答えた。
「誤解を解いておきたくてな」
「誤解?はっ、誤解だなんて、今更……」
「とにかく聞いてくれ」
静かに威圧され、私はまた口を噤む。
同じだ、あの時と。こいつに勝てない。
「確かにあの日、私は得たものと失ったものがある。過去を思い出した結果、」
自分を失った。
そう言った。
「自分を失った、って」
「信じてもらえるかはわからないが、聞いてほしい」
そして彼女は語りだした。自分の『前世』を。
15で親を亡くしたこと。自分の足で立ちたくて、軍に入ったこと。それ以来、自分がどうしても視えないこと。
「だが、私はこちらでのこともまた私の思い出だと思っている。千夏が思ってるみたいに、こちらの私を『追い出して』ここにいるわけじゃない。
ただ、わからないんだ」
「……言いたいことはわかった。
 でも、私は貴女をエクレールとは認めない」
「ならライトニングとでも呼んでくれ」
「雷光"ライトニング”?」
聞き返すと、彼女は悲しそうに、自嘲の笑みを浮かべた。
「ああ。光って、消えて、何も残らない。
 ただ、他人を傷つけるだけ。
 ……私にはお似合いだろう?」


「そろそろ着きますよ」
「はいはい」
また、会うのだろうか。雷光を名乗った彼女に。
いや、今は取材のことを考えるべきだ。
そう切り替えて車を降りた。
そこには、信じられない光景があった。
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