novel
□のるかそるか 4
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「名無し名字」
「なに」
「おととしに一度会っただけなのかい?そのひとの名字しか知らないって事かい?て言うか、一年以上前に一度しか会った事がないのに、なんで好きって言えるんだ?正気か?」
野田は矢継ぎ早に問う。
そして
「もうなんか、言っちゃ悪いけど、拍子抜けだよ」
とビールを煽った。
「下の名前はまだ知らない」
わたしはキッパリと言った。
「でも、アトリエ兼住居は知っている」
と、続けた。
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