novel

□のるかそるか 4
2ページ/5ページ



「名無し名字」


「なに」


「おととしに一度会っただけなのかい?そのひとの名字しか知らないって事かい?て言うか、一年以上前に一度しか会った事がないのに、なんで好きって言えるんだ?正気か?」


野田は矢継ぎ早に問う。


そして


「もうなんか、言っちゃ悪いけど、拍子抜けだよ」


とビールを煽った。


「下の名前はまだ知らない」


わたしはキッパリと言った。


「でも、アトリエ兼住居は知っている」


と、続けた。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ