novel
□のるかそるか 17
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「やだ、なんかイライラするー!」
エリは、二宮くんがゲーム話しでドヤ顔をするたびに、お腹を抱えて笑った。
無意識なのか意識的なのか、一度目を見開いてから、軽く顎を引き、やや上目遣いにしてみせるのだ。
むろん、眉間にしわを寄せている。
シャキーン、と擬音をつけたくなるような表情だった。
はぁ?って感じなのだが、なぜか憎めない。
前菜から始まって、二つ目の皿が終わろうとしている今では、お酒が入っているせいもあり、エリは二宮くんにどんな失礼なことを言っても良く、二宮くんは何を言っても面白い、という状態になっていた。
わたしもエリと一緒になって、盛大に笑った。
なんだか知らないが、可笑しくて仕方なかった。
上辺だけで笑っている気もした。
笑いながらでも、放心することが度々あった。
寝不足のせいだけではない。