novel

□のるかそるか 17
1ページ/6ページ


「やだ、なんかイライラするー!」


エリは、二宮くんがゲーム話しでドヤ顔をするたびに、お腹を抱えて笑った。


無意識なのか意識的なのか、一度目を見開いてから、軽く顎を引き、やや上目遣いにしてみせるのだ。


むろん、眉間にしわを寄せている。


シャキーン、と擬音をつけたくなるような表情だった。


はぁ?って感じなのだが、なぜか憎めない。


前菜から始まって、二つ目の皿が終わろうとしている今では、お酒が入っているせいもあり、エリは二宮くんにどんな失礼なことを言っても良く、二宮くんは何を言っても面白い、という状態になっていた。


わたしもエリと一緒になって、盛大に笑った。


なんだか知らないが、可笑しくて仕方なかった。


上辺だけで笑っている気もした。


笑いながらでも、放心することが度々あった。


寝不足のせいだけではない。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ