novel
□のるかそるか 14
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「最初は名無し名前っち、おーのさんと超うまくいきすぎて、そのことに照れてるのかなーと思ったけど、名無し名前っちの話に出てくる名無し名前っちが嬉しくなるようなおーのさんのセリフは、出会いの時の『どこかで会ったこと、あったよね』しかないみたいで、おーのさん、名無し名前っちが喜ぶようなこと、ほとんど言ってないみたいで…」
独り言のように呟きながらエリは、テーブルに丸く形作るコップの形の水滴を指で弄りながら口を開く。
「名無し名前っち、男の人とあんまり付き合ったことないようだから、ひとりで盛り上がり気味って気がつかないのかなぁって、思ってたけどー」
と、わたしにとってはだいぶショッキングな発言をした。
野田もショックを受けたらしく“え”と、小さく驚いていた。
そして、エリちゃん、エリちゃんとエリに向かっておばさんみたいな“おいでおいで”の身振りをする。