書物
□大切な貴方に温かい贈り物を
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あれから数刻。
後は蛍くんの到着を待つだけとなり縁側に腰を掛けていると目の前に才蔵さんによく似た人物が。
優「あ!蛍くん!」
声を掛けると何故か困った顔をした蛍くんが近寄ってくる。
蛍「....優。」
優「蛍くん?どうしたの?」
蛍「お兄ちゃん...いなかった。...この紙だけ...置いてあって優知ってる....?」
おずおずと紙を差し出されて受け取るとそこには
広間
と達筆な字で記されていた。
優「蛍くん、広間に行けば才蔵さん居るかもしれないよ。一緒に探そう?」
項垂(うなだ)れる蛍くんの柔らかな銀色の髪を撫でる。
蛍「....うん」
ふわりと柔らかな笑顔で頷く蛍くんを連れ誕生日の宴の開催場所である広間に向かう。