書物
□Trick but Treat....
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城へと戻るとすぐに夕餉の支度に追われ慌ただしく刻は過ぎていった。
夕餉の後片付けを済ませ団子作りに取り掛かった時には外は闇に染まっていた。
優「才蔵さん夕餉には居たけど会話してない...団子作ってるけど任務とかないかな」
才蔵さんとは恋仲になってそれなりの月日は経ったけど任務に行くとは教えてはくれない..
気づいたら居なくて気づいたら帰って来て...任務の事は言えない事は頭では理解していてもどこか寂しさがある。
そんな事を考えながら大量に出来上がった団子の山とお茶を抱え才蔵さんの部屋へと向かう。
部屋は灯りが灯っていて部屋の主が居る事を報せてくれる。安堵の溜め息を零して襖から声を掛けようとすると中から人影が近寄り襖を開けてくれた。
優「ありがとうございます才蔵さん。お団子お持ちしましたよ」
才蔵さんの優しさに触れた事と才蔵さんが居てくれた事に緩む頬を隠せないまま話す私を才蔵さんは呆れた様に微笑みながら見ていた。
才蔵「なに笑ってるのさ。」
優「すみません、才蔵さんが居てくれた事が嬉しくて..」
素直に口にすると才蔵さんは
ばかだね。
と一言だけ零していた。