恋乱日誌(現パロ)
□精一杯の愛情を
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最近才蔵さんに学校の帰り際にある大型ショッピングモールのアパレル店でのバイトなら帰りに迎えに行けるからと漸く許しを貰い働きだした。
今の時間は21時。後1時間で勤務は終了し大体終わる10分前には店の周辺のソファーに迎えに来た才蔵さんが待っている。
今日は才蔵さんの授業が終わり次第急いでバイト先に来たので才蔵さんとは話しをしていない。
(早く会いたいな...)
そんな事を考えながら働いていたのが災いしたのかいつもなら避ける事が出来る棚に腕と足をぶつけてしまった。
優「痛っ...」
店員「え、優ちゃん大丈夫?」
ガタンと大きな音が鳴った事に気付いて先輩が声を掛けてくれる。
優「すみません..気付かなくて..」
まさか考え事をしていて避けられませんでしたなんて言える訳もなく..
恥ずかしさに頬が熱くなるのを感じながら仕事を再開して暫くすると先輩が勤務終了を知らせてくれる。
終わった事に安堵のため息を零すとぶつけた腕と足に鈍い痛みが走る。
痛む足を庇いながら店を後にするとやはり才蔵さんは座って待っていた。
(才蔵さんに怪我の事見つかったら心配かけちゃうよね...)
そう思い痛みを堪えながらいつもと変わらぬ足取りで才蔵さんの元に駆け寄る。
優「才蔵さん、ごめんなさいまた待って貰っちゃって..」
声を掛けると優しい微笑みを浮かべた才蔵さんがこちらを向く。
才蔵「ん。お疲れさん」
優「才蔵さんもお疲れ様です」
漸く話せた喜びに浮かれていた私はこの時才蔵さんが何かを探る様に見つめていた事に気づかないまま家路へと着いた。