書物

□Trick but Treat....
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十月三十一日。城下に出れば少し不気味な南瓜と妖しく揺らめく提灯。

そしてなにより不気味なのは城下の人々。

昨日までの着物姿を一変させ南蛮衣装である猫や何やら黒い布を纏った人...夕餉の買い出しに来ていた着物の姿の私が目立つ状態となっていた。

(なにが起きてるの..?)

異様な光景に足が竦(すく)み動けない私に店の店主であろう人が優しく教えてくれた。

店主「南蛮では今日は"はろうぃん"という催しみたいでね。南蛮衣装を着て甘味を強請(ねだ)るとか。」

優「か、甘味..ですか。」

(甘味...才蔵さんは団子って言うだろうなぁ..今日は普段と違う団子にしよう)

そう意気込み団子の材料と夕餉の材料を買い急ぎ足で城へと戻っていく。
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