書物
□月明かり(才蔵さん視点)
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部屋で優が作ってきた団子を頬張りながら滅多と無い休日を過ごしていると不意に明日が中秋の名月とやらで月見がしたいと言われた。
才蔵「月見?やだ。騒がしくなりそうだし。」
明らか嫌そうに眉間に皺を寄せる俺に困った様に微笑みながら
優「お団子沢山作りますから..才蔵さんと二人きりでお月見がしたいです...だめですか...?」
(上目遣いにお願いするなんて誰に教わったのか。まぁ、仮に教わったとしたらそいつは消す事になるけど。)
才蔵「...まぁ、団子が食べられるならいいけど。」
素直になれない俺は団子を条件に月見を約束した。
花が綻ぶ様な笑顔を向けられるなら月見も悪くない...そう思いながらその日は彼女を抱き締めて眠った。