ONE OK ROCKな日々
□呼び出し〜Taka ver.〜
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「何が」
「風邪でも引いたら………。それに、体痛くなるよ?」
「でも、どっちかしかねーよ?」
「あ!じゃあさじゃあさ、俺のベッドで寝れば?俺はほら、良くあっちで寝てるし」
「それは無理」
亮太さんが言った提案を間髪入れずに拒否した貴寛。
「どこに自分の女他の男のベッドに寝せる男いんだよ」
「そうかぁ〜?」
「私がソファーで寝るよ!そしたら解決!」
「麗寝相悪いじゃん。落ちてないか心配で寝れない」
「もう」
「いーから、黙って俺のベッドに寝とけ。一日くらい平気だから」
「……わかった」
「おぉし!解決!っしゃ、飯の準備しよ〜。森ちゃん!」
「うしっやるか!」
「………。」
ONE OK ROCKが料理してる。
貴寛、楽しそうだなぁ。
そして、私とONE OK ROCK、それに現地のバンド仲間数人が招待されて、軽く宴会のような夕食が終わった。
今は、みんな今日貴寛が寝る奥の部屋でお酒を飲んでいるみたい。時折楽しそうな笑い声や、大きな物音がするから、相当盛り上がっているのだろう。
私は、1人で日本から持ってきた本を読んだり、スマホで動画を見たりして時間を過ごしている。
ガチャ
すると、奥の部屋のドアが開いて、ちょっと酔った感じの亮太さんや智也さんとかなりテンションが高くなっているバンド仲間さんたちが出てきた。
「麗ちゃん、森ちゃんがあっちで呼んでるよ。行ったげて」
「あ、すいません。ありがとうございます」
亮太さんは、お酒の匂いがした。どうやら、これから近くのお店に飲みに行くらしい。
貴寛の所に行こうと思い、ドアを開けようとすると、先にドアが開いて享さんが出てきた。
「おっ、わり。」
「こちらこそすいません」
「ちょっとたばこくさいかもしれん。ごめんな?」
「あ、大丈夫です!」
「俺もう寝るから。ごゆっくり」
「はい」
部屋に入ると、たばこの匂いとお酒の匂いが充満していた。
「貴寛?」
「おぉ」
貴寛は、飲む前とあまり変わらない様子でソファーに座ってスマホを見てた。
私が貴寛の隣に腰を下ろすと、自然と肩に腕が回されて、私が貴寛に寄りかかる形になった。
「貴寛もたばこくさい」
「吸ってねーよ」
知ってる。他のメンバーは全員たばこを吸うけど、貴寛は喉を気遣ってたばこを吸わない。
「お酒くさい」
「それは飲んだ」
「またいっぱい飲んだんでしょ」
「あ〜…わかんね」
「………。」
「…………。」
沈黙。
でも、嫌じゃない。心地良い沈黙。
カタ
貴寛は、スマホを近くのテーブルに置いて、私を抱き締めた。
「寂しかった?」
「ん?」
「3ヶ月?くらい会えなかったじゃん。俺に会えなくて寂しかった?」
「…うん。寂しかった」
そう私が答えると、私を抱く力が強くなった。
「わりぃ。あと2ヶ月したら1回日本戻るから。したらもっとゆっくり一緒にいれる」
「うん」
「さっきホテル取れたから」
「うん」
「って言っても明日1日しか一緒にいれない」
「うん」
「明後日の朝1の便予約したから、それで帰れ」
「うん」
「飛行機の時間までは一緒にいれるから、見送りする」
「……………………。」
「どした?」
「ううん。何から何までありがとう」
「全くですよ。ホントに手のかかるお姫様だからな」
ギュ
「寂しい」
「……。」
「貴寛。寂しいよ…………ずっと、寂しかったよ」
「うん」