ONE OK ROCKな日々

□結婚生活〜Toru ver.〜
1ページ/3ページ

「麗」

ギュ

いつものようにやさしく握られた私の右手。

私の旦那で、ONE OK ROCKのリーダーでギターのToruは、私がソファーでテレビを見ていたり読書をしていたりすると、必ず隣に来て私の手を握る。もちろん、二人で買い物に行く時も出かける時も。
たまに、私の肩に腕を回して自分の方に抱き寄せる日もある。
寝る時には、私が先に寝ていても一緒に寝る時も、必ず私を後ろから抱き締めて眠りにつく。

たぶん、バンドの夢を追いかけてしょっちゅう海外に行って、私と一緒にいれないから、Toruなりの二人の時間の過ごし方であり、私へのやさしさなんだと思う。






周りから見れば幸せに見える……いや、実際に本当に幸せなんだけど、1つだけ不満がある。





Toruとは、地元が一緒で実家が近いということもあって、昔から仲が良かった。
そんなToruがダンスに目覚めて、テレビに出るようになって、かと思ったら今度はバンドでって、凄く近い存在だったのに、どんどん遠い存在になっていく気がして、たまらなかった。

そんなある日、ONE OK ROCKとしてメジャーデビューを果たし、忙しいはずの時期に突然Toruから「久しぶりに会いたい」っていう連絡がきて、数年ぶりに会うことになった。
まぁその時に、私とToruは付き合うことになったんだけど。

うん。

違和感は付き合ってる時からあったの。

Toruは、付き合う時の告白以来、結婚する時のプロポーズまで。そして、結婚してからも「好き」とか、「愛してる」って言葉を1回も言っていないのだ。
「告白とか、プロポーズとか、何か特別な日にしか言わないのかな?」って、始めの頃は考えていたけど、結婚記念日とか誕生日とか、ちゃんと覚えてくれてて、お祝いも欠かしたことがないんだけど、私がそういう言葉を言ってもToruは返してくれたことがない。

Toruは、容姿はもちろんのこと、やさしくてマイペースすぎなとこもあるけど、私を大切にしてくれる最高のパートナーなことに間違いはない。

でも、
でもね………………1つだけ。Toruから、「愛してる」の一言が欲しい。欲張りかもしれない。でも、欲しいの。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ