ONE OK ROCKな日々
□結婚生活〜Taka ver.〜
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「キャッキャッ」
「はは」
春の日差しが差し込む温かな休日の午後。私は、目の前で繰り広げられている平和で幸せな光景を前にほっこりしていた。
ONE OK ROCKのボーカル、Takaこと森内貴寛と結婚して、早いもので2年が経とうとしている。
結婚してすぐに貴寛との子供が私のお腹の中にいることがわかった。妊娠中も貴寛は国内のみならず海外ツアーがあり、家にほとんでいなかった。しかも、そのツアー中に新しいアルバムの作成を開始したりと忙しい日々を過ごしていて、結局出産には立ち会えなかったけど、出産した次の日には朝、目を覚ますと貴寛がいて、
「北米ツアー昨日終わってさ、急いだら最終の1つ前の便に乗れてさ。立ち会えなくてごめんな。元気な子供産んでくれてありがとう」
って、言ってくれたんだ。あの日のことは、これから二人目、三人目が産まれたとしても、ずっと忘れないと思う。
そして、初めて息子の響を抱いた時、貴寛は涙を流して喜んでくれたんだよね。
「………。」
ボーッとそんな回想をしていると、肩にかすかな重みを感じた。貴寛が私に腕をまわしながら私の顔を覗きこんだ。
「何ボーッとしてんだよ。」
「あ、ううん。ちょっとね響が産まれた次の日のこと思い出してた」
「ふ〜ん。」
私と貴寛が話している間、響は絵本に夢中になっている。
「懐かしいなぁ」
「そうだね」
なんとなく甘えたくなって、貴寛の肩に頭をもたれさせる。
「ん?なんだよ、珍しく甘えただな」
「たまにはね」
「いーよ、いつも甘えてもらって」
「何言ってんのよ。早速来週からレコーディングで帰り遅くなるじゃない」
「はは。だな」
「もう」
「でもまだ4日もあるんだからさ、ずっと甘えてればいいじゃん」
「だって、お付き合いがあるでしょ?会いたい人いっぱいいるんじゃない?」
「まぁな。でも、朝から飲んだりしないし。暇な時間は麗と響に捧げるよ」
芸能界にも多くのファンを抱えるONE OK ROCKのボーカルは、良くそんなファンに呼び出されたり、呼び出したりして飲み会をする。
貴寛は、
「なんか、年々酒強くなってんだよなぁ。いくら飲んでも酔わないんだよ。」
なんて、おどけて言うけど、妻としては心配でもある。でも、毎回楽しそうに帰って来るから、「無理はしないでね」とだけ釘をさして見送るんだけどね。
「…………甘えてもいいの?」
「もちろん!おいで、麗」
そう言って貴寛は、笑顔で両手を大きく広げた。
「もうっ」
「ん?」
「大好き!」
ギュ
チュッ
チュッ
「ん…」
「大好きじゃ足りねーよ。愛してる」
世界的バンドに成長したONE OK ROCKのボーカルは、私の旦那様。