短編集

□フィッシャーズ
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私は悠里。沙稲木学園に通っている。そこでなかがいいフィッシャーズという、学校で一番のモテ男子グループと仲が良く、いつも一緒にいる。皆私を信用してくれているし、私も信用している。幸せなこの生活が、二人の転校生によって壊されていくのだった。

先 今日は転校生を紹介する。
シ え?女子?
先 おう、しかも二人ともかなり美人だぞ‼お前らが羨ましい‼
ン まじで?でもやっぱ悠里がいいよなー。
悠 お世辞言わないでよ!
ン お世辞じゃないよー。
先 では紹介する。熊谷くくるさんと内山名無しさんさんだ‼
入ってきたのは、一人は目が大きく、可愛さ百パーセントの子と、凛とした顔立ちの綺麗百パーセントの子だった。
熊 こんにちは〜。熊谷くくるです〜。よろしくね🌟
可愛い‼友達になれるかな?憧れの目線を向けていると、一瞬熊谷さんがこっちを見た気がした。ん?私睨まれた?気のせいか。
マ 可愛いな。
ザ アイドルみてー。
続いて内山さんの自己紹介。
内山 ・・内山名無しさんです。よろしく。
なんか冷たい感じ。怖いけど、仲良くなれるかな?
先 さて、二人の席はどうする?
熊 私、あの子の隣がいいです〜。
熊谷さんが指差したのは、シルク。つまり私の席と変わってほしいの?
先 佐伯、変わってやれ。
あ、わたしの名字佐伯ね。でも、なんで?まあいいか。
悠 はい。
熊 やった〜。よろしくね〜。
シルクに話しかける熊谷さんをみていると、何故か胸が痛んだ。
先 内山は?
名無しさん 私はどこでも構いません。
先 じゃあ、佐伯の横が空いてるから。そこな?
名無しさん はい。
やった、内山さん隣にくるんだ‼でも、冷たい感じだし。怖いかも?
悠 よろしくね?
名無しさん はい。私はまだ色々分かんないんで、教えてくださいね。
悠 はいっ!
シルク達、フィッシャーズと仲良く話してる熊谷さんも気になるけど、今は内山さんと仲良くしよう。
休み時間
悠 ねえ、名無しさんさん、学校案内しようか?
名無しさん ・・お願いしたいんだけど、ちょっと待っててくれる?
私と名無しさんさんはかなり仲良くなっていた。名無しさんさんは仲良くならないと心を開かないタイプらしく、私には少し開いてくれている。
そんなことを考えていると、名無しさんさんはフィッシャーズの所にいって、二、三言喋ると一緒にベランダへ行った。熊谷さんもついていこうとしたが、名無しさんさんが睨んで止めた。でていったフィッシャーズを尻目に、熊谷さんがこちらに来た。
悠 どうしたの?
熊 気安くため口で話すんじゃねーよブス。
悠 へ・・・?
熊 なんでこんなやつにシルクくんたちは?・・・お前が嫌われるようにしてやるよ。自殺するくらいに追い詰めてやる。
悠 え・・いやっ・・・。
私は力が抜けて座り込み、熊谷さんは笑いながら去っていった。
なんで・・・熊谷さん、なんであんなこと?私、嫌われた・・・?



名無しさんside
私は前の学校で問題を起こしてここに転校してきた。でも、一緒にクラスに入るやつは、危険な臭いがする。獣臭い、血生臭い。こいつには要注意だな。仕方ないか。私は目を瞑り、そいつの頭のなかに集中した。私には一般的にいう超能力があり、人の頭のなかを覗くこと以外にも色々なことができる。
名無しさん ・・・っ?
こいつの頭のなかはおかしい。全て「殺」と「狂」の心意で構成されている。私は、こいつからクラスの奴等を守らなければならない。そう強く思った。
教室に入り、隣の熊谷の頭のなかを一瞬覗く。どうやら、こいつはこの中の、多分真ん中グループのリーダーっぽい奴に狂った愛をよせたらしい。そして、そいつが好意を寄せているらしい、隣の女の子に敵意を向けている。あの子を守らなければ。
私は偶然の隣の席になれたので、色々話した。ものすごくいい子で、私でも直ぐに打ち解けられた。
あの中心グループの名前はフィッシャーズ。悠里はその紅一点。
・・・成る程ね。
休み時間になり、私は学校を案内してくれるという悠里に少し時間を貰って、フィッシャーズという奴等に話しかける。
名無しさん ちょっとベランダに・・いいかな?
シルク おう。
モトキ いいよ。
マサイ なんのようかな?
私達はベランダへ出た。熊谷もついてこようとしたが、私が睨んで追い払った。

ベランダ

ザカオ で?なに?
名無しさん ・・・悠里ってさ、いい子だよね。
ンダホ そうだろ?めっちゃいい子だろ?
ぺけたん 自分より人の事だし。
ダーマ めっちゃ優しいしな。
マサイ でもそれがどうした?
名無しさん もし、悠里が熊谷を苛めたとして、証拠もあるとしたら、どっちを信じる?
シルク え?いじめてんの?
名無しさん んな訳ないじゃん。でも、多分熊谷がそうなるように仕組むよ。完璧な証拠用意して、お前らを味方につけようとしてる。
・・・その時にどっちを信じるかは、お前らしだいだけどさ。・・悠里のこと、信じてやれよ。じゃあな。


シルク達にそう言って教室に戻ると、座り込んでる悠里の姿があった。いよいよ始まるか。私は悠里を守り抜こう。例え、親や兄を使っても。






フィッシャーズside
意味がわからなかった。内山は何を言っているんだろう。疑問に感じながら次の日に学校に行くと。
熊 きゃー!佐伯さんやめてー‼
昼休み。悠里がいないので探しに行こうとしていた矢先、廊下で熊谷の声がした。駆けつけてみると、物凄く真剣な表情の悠里と、悠里に胸ぐらを捕まれた熊谷だった。
熊谷は、こちらを見ると俺、シルクの腕に飛び込んできた。
熊 助けて、悠里ちゃんに虐められた・・。
シルク は?
あり得ねー。悠里にかぎってそんなこと。
マサイ やめろよ、悠里がそんなことをするわけねーだろ。
ダーマ マサイの言う通りだ。適当なこと言うんじゃねーよ。
熊 適当なことじゃないもん。そこの人達に聞いてみてよ。
名無しさん ・・・もんとかキモいんですけど。
フィッシャーズ一同 内山っ?
ビックリした。内山がいきなり現れた。
シルク なんで内山がここに?
名無しさん 悠里守るため。あんたらは?答えでたの?

俺らは黙りこくった。その間に内山は、現場にいたらしい女子に質問している。
内山 本当に虐められてたの?
女子 ・・・はい、蹴られたりしてました。
熊 ほらね?悠里ちゃんひど〜い。
内山は何故か目を瞑る。しばらくして目を開くと、その女子に質問した。
内山 なんで嘘つくの?
女子 え?
内山 嘘、ついてるでしょ?

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