短編集

□甘い恋。
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今日も平和だ。
私は内山名無しさん。
ただいま六本木の某所にいる。医者である母親の試験が終わるのを待って、ここで待ち合わせしているんだ。
私は中2。中学に上がるのと同時に関西から引っ越してきた。
路上から空を見上げると、蒼く澄んでいて、なんだか切なくなる。自分の故郷を思い出す。
それにしても、なんでこんなに人が多いんだろう?女の人でいっぱいだ。そう思った瞬間。
キャー‼
ものすごい叫び声が聞こえた。なんだろう。嫌な予感。
私は母親にLINEで断りをいれ、声の方に向かった。すると。
犯人 こいつの命はもらった‼
なんなのあいつ?そもそもあの人質有名人な訳?あ、そうか。あの人達に女の子が集まってたのかー。
その現場を観察する。犯人はどうやら二人らしい。なんか男の人の6人組に一人がナイフを突き付け、もう一人が警備員と闘っている。誘拐なら、もう一人車を運転するやつがくるだろう。そいつが来たら面倒だ。助けるか。
・・・それにしても。あの女子達、こいつらのファンなら助けようとしたらどうなんだろう?
やっぱ皆クズだ。自分が生きてりゃそれでいい。
私は一つ溜め息をつくと、ナイフを突き付けてる方の覆面男にの方に体を向ける。こちらに背を向けていて、そこを警備員と闘ってるやつが守っている。いい作戦だ。でも。
名無しさん つめが甘いんだよ。
私はそいつらに向かってダッシュする。前方にいる犯人以外の奴らはギョッとして避ける。こちらに気付き、ナイフを向けてくる、警備員と闘ってた方の男。Aって名付けよう。
撮影現場の手前においてあった柵をジャンプだいにして、Aを飛び越える。スカートじゃなくてよかった。
ナイフを突き付けてる男、Bの前に着地。間髪いれず、ナイフを振り回す前に懐に潜り込み、重ね当てを繰り出す。
そのまま、バク転でBの顔を蹴り、襲いかかってきたAに回しげりを放つ。バランスを崩したAの鳩尾にパンチを一発入れる。そして、柵の外までダッシュし、車を持ってきた覆面男、Cの車のフロントガラスを割る。つまり、跳んで車の前の部分に乗り、フロントガラスに蹴りを入れたんだ。
そして車内に飛び込み、Cの頭を殴って気絶させた。ここまで約一分。
呆然としている、ナイフを突き付けられてた男子6人組に手を貸して立たせる(ビックリして座り込んでた。)
名無しさん 大丈夫ですか?
男子1 はい・・。
私より5、6才歳上だろう。皆整った顔をしている。
男子2 あの、君・・名前は?
名前聞かれた。
名無しさん わたしは内山名無しさん。・・あなたたちは?
男子3 俺らはKAT-TUNっていうアイドルグループです。
あ、芸能人だったんだ。顔が綺麗なのも、女子が集まってたのも納得。
名無しさん そーなんだ。・・ごめん、分かんないやw。友達が話してた気もするけど。
そこに警察と、もう一つなんか白いマイクロバス?が到着した。
中から、なんか不思議な男の人が出てきた。
男 you達、大丈夫かい?
男子4 はい、大丈夫です。
男子5 この人が助けてくれたんで。
男子達が敬語で話してるから、偉い人なのかな。目を向けられたので、頭を下げておく。
名無しさん 内山名無しさんです。
男は変な日本語だった。その人は私に感謝をしてくれた。
名無しさん いいえ、大したことしてませんよ。久しぶりに楽しかったですし。
そのあと、私は警察でいくつか話をしたあと、そのうち感謝状を進呈するので云々と言われ、やっと帰してもらえた。疲れた。
まさか、これに続きがあるとは思わなかった・・・。

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