本棚2

□ゴシップ
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アシュタルがすっかり、馴染みになった頭痛と吐気に唸りながら目覚めた場所は、見知らぬ部屋の寝室だった。

「ここ・・・・何処だ?・・・俺はなんで裸?」

ホテルの部屋とは思えないが、誰かが住んでいる部屋にしては生活感のないガランとした部屋。
自分が横になっているベット、黒で統一された調度品も綺麗に整頓していると言うより、置いてあるだけで使われていないように見える、まるでモデルハウスのような印象の部屋。

「この部屋だけで俺の部屋より広いな・・・昨日は飲みに行って、それから・・・駄目だ、何も思い出せない・・・」

夕べの自分の行動を何とか思い出そうとするが、頭痛も合間ってベットの上で頭を抱えて蹲る。
知らない部屋のベットで裸で寝てるなんて・・・

「なんだ起きていたのか」

「!!!」

ミネラルウォーターのペットボトルを持って部屋に入ってきたのは、知らない男だった。
驚いて飛び起きて、目眩と頭痛にまたベットに蹲るアシュタル。

「大丈夫か?ほら、水と二日酔の薬だこれを飲んでもう少し寝てろ」

「あんた誰だ?」

誰何するには弱々しい声だったがどうやら聞こえたようだ。

「俺を知らないのか?ふむ、俺もまだまだだな・・・」

男が独り言のように呟く。

「?」

「昨夜は済まなかった、お前がこんなに酒に弱いとは知らなかったんだ。たまたま俺のマンションが近かったからここへ運んだんだが・・・気分はどうだ?」

差し出された、水と薬を素直に飲み干し、もう一度昨夜の事を思い出そうと記憶をたどる。
微かに思い出した酒の味に自分の失態を思い出した。

「すみません!甘い酒だったからついジュース感覚で飲んでしまって・・・ご迷惑おかけして本当に申し訳ありません」

恐縮して、詫びるアシュタルに、男は鷹揚に答える。

「気にする事はない、飲ませてしまった俺の責任だ。そうそう、服は酒で汚してしまったから今、洗濯しているもう少し待っていてくれ」

ポンポンとアシュタルの頭を撫でると部屋を出る男にアシュタルは膝を抱えた。

「なんだあれ?」

顔が暑いのは、まだ残っている酒のせいだと思いたかった。





それから数日後。

『人気俳優エルダー、熱愛発覚か?』

『深夜のお泊まりデート?』

そんな見出しが週刊誌に踊った。
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