本棚2

□夢の欠片
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「なあ、あんた・・・まだ、世界を統べる王とかになりたいのか?」

行為後の気だるい身体をエルダーの逞しい腕にゆだね、アシュタルは半ば夢心地で呟く。

「・・・それは新しい王に任せるさ」

エルダーがアシュタルの耳元で囁く。

「新しい王?・・・アーサーの事か?」

眠たそうな、覚束無い声で呟くアシュタル。

「この俺に啖呵をきったんだ、お手並み拝見させてもらうとしよう・・・そんな事より、今は新しい夢が出来た」

「夢?」

エルダーが、嘲笑でも威圧的でもなく、まるで普通の男のように幸せそうに笑いながら言う。

「お前に俺の子を産ませたい」

筋肉の一つ一つをなぞるように優しくアシュタルの腹を撫でるエルダー。

「クスクス、それはそれは壮大な夢だな」

エルダーの言葉にアシュタルが笑う。

「もちろん、その為の努力は惜しまんさ」

エルダーの手が、悪戯に動き出す。

「フフフ・・・いいぜ、あんたの夢がさめるまで付き合ってやるよ」

覚めるのか冷めるのか、どちらか分からないけどな・・・一抹の寂しさを呑み込んで、蠱惑的な笑みを浮かべるアシュタル。

「言っておくがな、俺は諦めの悪い男だ、そう簡単に夢を手放したりはしないさ・・・後悔するなよ」

古の王は不敵な笑みを浮かべると、捕らえた獲物に食らいついた。


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