リクエスト小説
□忘れられない大切な恋人
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渡邉side
愛佳と別れた。愛佳が一方的に別れを告げて、私は愛佳と別れた。
いや、別れてしまった、と言った方がいいと思う。
理佐「………愛佳………」
あの後は呆然として最終下校時刻まで動けなかった。愛佳を追いかけようとしても、きっと近づくなって言われそうだったから。
翌日。
愛佳とは気まずい感じになってしまって愛佳の所へ行けなくなってしまった。それから、後輩からも同級生からも先輩からも告白されることがさらに増えた。
それは、愛佳も同じことだった。
記念日にあげたお揃いのピアスだって今は付けていなくて、ピアスが空けた穴しか残っていなかった。
守屋「愛佳と別れてから告白の頻度増えてない?」
理佐「……うん」
こうやってあかねんと話していたって
織田「愛佳ー!後輩の子が呼んでるー!」
愛佳「………今行く」
……あぁ、今思えば愛佳は付き合ってた時は後輩からも先輩からも同級生からも呼び出しがあったって断ってたな。私だけか。
呼び出しを断らずに、告白されて、断って。
それで私はいつも通り、愛佳のように告白した人にも同じ接し方をしてたっけ。
頭を撫でて、告白を断った代わりみたいに頭撫でてたな。
守屋「ねぇ理佐?告白断った後にさ、いつもどうしてる?」
理佐「………え?あぁ……頭撫でて終わらせてる」
守屋「はぁ………それだよ……」
理佐「何が?」
守屋「だからさ〜……」
…あ、愛佳が帰ってきた。
………あの様子だと断ったみたいだな。
よかった。
織田「愛佳おかえりーー!!!いやぁ〜モテる女は罪だね〜!」
愛佳「どういう意味だよ」
織田「相変わらず口悪いな〜もうちょっと直したら?」
愛佳「直す気ねぇし。ていうか茶化すのやめて。ウザイ」
織田「ごめんごめん!腕さりげなく噛もうとするのは勘弁!」
愛佳「……冗談だから…っ、」
愛佳と織田が話してる所を見てたら愛佳と目が合った。
織田「ん?愛佳どうかした?」
愛佳「ううん、なんでもない」
織田「そっか」
鈴本「ダニー!!!愛佳ー!!!お弁当一緒に食べよー!!!」
愛佳「鈴本テンション高過ぎ」
鈴本「そんなことないから〜!」
愛佳「ははっ……まぁいいや。食べよっか」
……ここ最近、愛佳が笑顔を見せることはない。笑うとしても、眉を下げた困った笑い方。悲しい笑い方をしている。
守屋「ちょっと理佐?!聞いてる?!」
理佐「……え?………あぁごめんね聞いてなかった」
守屋「まぁ気になるのは仕方ないけど〜……ちゃんと聞いてよね!」
理佐「ごめんね」
織田「おっ!またモテるヤツが帰ってきた!」
『織田、うるさい。』
織田「いやでもさ!うちのクラスに3人もモテてるヤツがいるってすごくない!?」
『はぁ……』
愛佳「……随分疲れた顔してるね」
『めちゃくちゃ泣かれました』
愛佳「………そんなに駄々こねてた?」
『しつこくて………めっちゃ困った。』
梨加「瑠依ちゃん」
『あ、ぺーちゃん。』
梨加「……その子になんか言われた?」
『あ、そうそう。放課後さ、ちょっとでいいから一緒に来てくれる?』
梨加「……?」
『その付き合ってる人を連れてこいって言われてさ。しつこいからそうして諦めてもらおうと思って』
梨加「…うん。……分かった」
愛佳「ぺーはいいね。大事にしてくれる彼女さんがいて」
理佐「………っ!」
ガタッ
守屋「理佐?………ちょっと理佐!?」
理佐「………っ、」
そっか。私は愛佳を大事に出来なかったんだ。だから愛佳を不安にさせて、愛佳と別れたんだ。