珈琲と悪魔

□プロローグ
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「悪魔」と聞いて、何が思い浮かぶだろうか。


卑劣で、他人の不幸を嘲笑う「悪魔」か。


この「悪魔」を思い浮かべる人が大多数だろう。



しかし、世の中には“幸せ”に導いてくれる
「悪魔」がいるのをご存知だろうか。


この「悪魔」は、必然に“夜の決まった時間を過ぎた頃”にやって来ては、“幸せ”に導く有難い存在なのだ。



だが、この有難い「悪魔」が“憑いてくれる
時間が短い”人も、世の中にはいる。

“不眠症”という病気を患っている者、「悪魔」を“カフェイン”という成分で追い払う者。







私の彼女は“不眠症”を患っている所為で、その「悪魔」が来ても、直ぐに離れて行ってしまう。


私は、その「悪魔」が“長い時間憑いてくれる”ように、毎日「薬」を飲ませている。

ただ、その「薬」を飲みすぎても「悪魔」が長時間憑いて離れなくなるから、“過剰摂取”をさせないようにしている。


私は、彼女と一緒に“幸せ”に溺れるのが約束だから、「悪魔」が憑いても直ぐには“幸せ”には溺れないようにしている。


でも、それでも彼女に「悪魔」が憑くことが無かったら、寂しく1人で“幸せ”という名の
“虚しさ”に溺れる。












2人で仲良く“幸せ”に溺れたいものだ。


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