リクエスト小説
□素直になれなくても
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渡邉side
理佐「…おはよ…」
……なんで?なんでてちとあんなにくっついてるの?
平手「瑠依〜」
『お〜てち〜』
平手「わ〜い瑠依の背中〜」
『わ〜てち重〜い』
平手「それは失礼〜」
『ごめん〜』
平手「あ〜理佐〜おはよ〜」
『ん?あ、りさ、おはよ』
理佐「………おはよ」
『……?りさ?なんか怒ってる?』
理佐「………別に、怒ってないから」
『……え、あ、りさ……』
……なんだよ、てちとばっか。もう知らない。
理佐「………はぁ」
愛佳「また瑠依?」
理佐「なんでてちとばっかなの……」
梨加「………理佐ちゃん」
理佐「………な、に………っ?」
梨加「………がまんしなくて、いいんだよ」
理佐「………っ、……」
愛佳「ペー、りさ連れて他の部屋行きな」
梨加「うん。理佐ちゃん、行こ?」
理佐「………っ、……ぅん」
こういう時まなかとかペーちゃんとか、ほんとに分かってくれてる。もう、ほんとに、瑠依のことなんか知らない。
『……あ!りさ、どこ行くの?』
なんだよ。私の気も知らないで。よくそんなこと聞けるよね。
理佐「…………瑠依のせいだよ!私の気なんか知らないでいつも私以外のメンバーとくっついてて、もう知らない!!近づかないで!!」
『……え、あ、待って……』
バタン!
……強く言いすぎた。もう、どうかしてる。
梨加「………理佐ちゃん?大丈夫?」
理佐「………あんなに、強、く……言わなきゃ、よかった………」
梨加「……大丈夫。瑠依ちゃんはね、理佐ちゃんとおんなじ気持ちかもしれないし、理佐ちゃんに気をつかってるのかもしれないよ。それに、理佐ちゃんと瑠依ちゃん、似てる所、たくさんあるよ?」
理佐「そんなこと…………」
梨加「……理佐ちゃん、強がらなくて、いいから、今は自分の気持ちに、正直になってね。」
理佐「……っ、ヒック……グスッ……」
梨加「…………大丈夫だよ」
なんでこういう時はペーちゃんはお姉さんになるのかな……ほんとに不思議。
理佐「……ヒック……ック……グスッ……ゥ、……グスッグスッ……」
梨加「………」ナデナデ
理佐「……グスッ……ック……うわぁぁあ………!」
梨加「……つらいときは、こらえないで、愛佳とか、私とかに相談して、いいからね。」
理佐「……うん、グスッ……ヒック、…グスッ……」
梨加「………あ、瑠依ちゃん……」
…なんでこんな時にあいつは来るんだよ……来ないで欲しいのに………来ないでって言ったのに……なんで来るの……?
『…………りさ』
理佐「…………」
梨加「理佐ちゃん、大丈夫だから。」
理佐「……………やだ」
梨加「…大丈夫。」
理佐「………むりだよ。私には」
梨加「…私言ったよ?自分の気持ちに、正直になりなって。」
理佐「…………」
『…………りさ』
理佐「……来るなって、近づくなって、言ったじゃん。」
『……うん』
…違う。言いたいのはこんなんじゃない。もっと、正直になりたいのに、なれない。
『でも、私は、りさが怒った時の言うことなんか聞いたことないよ。』
理佐「………ほんと、生意気」
『………生意気でいいよ?私は、………りさが、……りさが、疲れないように、重荷にならないように、気遣ったのに……りさを怒らせちゃって……それで、りさを泣かせちゃって、悲しませちゃって、ペーちゃんとかにも迷惑かけるようになっちゃって、ほんとに、私はだめな、生意気な奴だけどさ、』
理佐「………もういい」
『……生意気な奴だけど、』
理佐「もういいって言ってんじゃん!」
『………』
梨加「…理佐ちゃん」
理佐「なに、…っ、痛っ。何すんの。」
梨加「なんでそんなに素直になれないの!?瑠依ちゃんだって、理佐ちゃんのこと心配して、謝ろうと思って、理佐ちゃんの所に来たんじゃん!それなのに、そんなんでいいの!?自分の気持ちに正直にならなくていいの!?このまま、ずっと仲直りしないまんまで過ごしていくの、理佐ちゃんだって、瑠依ちゃんだって、私達だって嫌だよ!」
理佐「…っ、ペーちゃん達には関係ないじゃん」
梨加「関係無くないよ!私達だって、ずっと理佐ちゃん達の事見守ってきてるんだし、仲良しの、いつもの理佐ちゃん達がみんな、大好きなんだよ!それなのに、なんでそんなに素直になれないの!?ずっと空気が重いまま過ごすのは、理佐ちゃんだって嫌でしょ!?」
理佐「………私だって……」
梨加「………叩いてごめんね、理佐ちゃん。でも、これはほんとのことを言っただけ。理佐ちゃんなりに出来ることだって、あるから。素直になれないのは、私だって、瑠依ちゃんだって、知ってる。理佐ちゃん、言ってごらん?」
理佐「………」
……こんなに大声出してるペーちゃんなんてそうそう見ない。…正直になるなんて、むずかしいけど、私なりに、出来ることが、あるのかな。