ヒ腐マイ

□嫌いにならないでくれ
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いつ変わり始めたかなんて分からない。
弟に向ける兄弟愛が恋愛に変わってしまった。
気のせいだと思いたい、この感情は知られてはいけないものだ。
頭では理解してても、心は悲鳴をあげていた。
 



「んっ、はっ、あ、う……はぁ、じろ……」

血の繋がった兄に、自慰のネタにされてるなんて知ったらどう思うだろうな。
そんなことを考えながら、手を動かすのを止められない。
自分の気持ちいい所を指で刺激し、爪を立てる。

「はっ、あ、ァ!……じろ…う……!や、っぁ!……ダメ、だ!それ……!」

自分の手で、二郎にされているのを想像しながら、動かすスピードを速める。
先端から滲み出た汁を指に絡めると、滑りがよくなった。
ぐちゅぐちゅと厭らしい音が鼓膜を刺激する。

「んんっ、はぁ、んっ。ちゅ……じろー、ぁ、じろぅ……!」

口元を抑えていた右手を外し、指を咥えた。
人差し指と中指で、口の中を蹂躙する。
指の腹で舌を刺激し、舐め回し、唾液を絡めた。
濡れた指を引き抜き、今度は後孔に触れる。

入り口を撫でて、人差し指を挿れた。
異物感に耐えつつ、ペニスを扱く快楽でごまかした。


「はっ、二郎、ぁ、んむ……や、俺……二郎と、一緒に……!」

そろそろ限界が近い。
指の本数を増やして、中を掻き回す。
後ろにペニスを突っ込まれているのを想像しながら、奥へと指を押し込む。
指に気持ちイイところを掠めて、ペニスから白濁が溢れた。

「……ひっ、あ、あ……俺、もう! イク……イク、からぁ!二郎も、一緒に……! んっ、んーー!」

唇を噛み締め、嬌声を押し殺す。
ベッドに横たわり、荒い息を吐き出す。

「ごめんな、二郎……」

勝手に好きになって、セックスしてるのを想像しながらするなんて。
おかしいに決まってる。

「二郎、俺のこと……嫌いになってくれ」

口をついて出たのは、嘘の言葉だった。









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