みかんのカゴ

みかんのカゴは、ネタや短い文章などを入れて置く場所となっております!
(設定は変わるかもしてませんので、IFだと思ってお楽しみください!)

◆ロシア語のお勉強会。 

「これはヴェーですね……ベーはこれですよ」
「〜〜っ!何でこんなややこしいんだよ!!覚えらんねぇだろ!!!!」
「まだアルファベット覚えてる段階じゃないですか、ほら頑張りましょ?ほらこれは?」
「……ポット?」
「残念!これはロートですね。意味は口です」
「コッノ野郎…ッ!!英語のアルファベットと似てるんじゃねぇよ!!」
「(一体誰に文句つけてるんですかねぇ……)」
「おい、ボーッとしてんじゃねぇよ、コレは、何だよ」
「それはーー」

二人の間で今や、習慣になった勉強会。グラウの地下部屋で今日も二人、向かい合っていた。時刻は夜8時。寝る前のお勉強会だ。

「そんな事も分からんのかこの低級悪魔め!見よ!私は今日もノート3ページ分単語を練習したのだから!」

ドアを勢いよく開け、その空間へ飛び込んできたのはブランだ。彼はことあるごと、グラウに食って掛かってゆく。

「ブランは勉強熱心ですねぇ……よしよし、良い子良い子してあげましょう」
「わっ、わあっ!?あ、ありがとうございます……まさか貴方さまに頭を撫でて頂けるとは……!光栄です……!!」
「……そいつなんかしょっちゅう触ってくんだろが」

グラウが独り言のように呟いたその言葉を、ブランの耳は素通りするわけにはいかない。

「ハ!?……そんなわけ無いだろう!?ちょっ、嘘ですよね?本当じゃないですよねゲルプさま!!??」
「……さて、次はこの単語ですが」
「ちょっと!!!???」
「流されてや〜んの」

ケタケタと笑うグラウに、ブランはゲルプとグラウを交互に見て、アワアワとしている。

ゲルプはそんな二人を眺めながら……こんなにも穏やかな日々が私の元にもやってくるなんて、と柔らかな笑みを浮かべているのだった。

end

[追記] (2018/04/09(Mon) 13:45)

<金髪と黒髪> 2018/04/09(Mon) 13:45 

[TOPへ]
[カスタマイズ]



©フォレストページ