第一章
□月の影に
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数日後、朝っぱらから素戔嗚様と月人のふたりしか居ない教室で、ふたりは何やら話していた。
「月人?」
「うわっ!ハルか〜、びっくりした…!」
「これはハル殿。」
驚く月人に対し…流石神様だ、素戔嗚様は全くと言っていい程驚いていなかった。
「おはようございます、素戔嗚様。月人、何してたの?」
「そ、それは…普通に素戔嗚様と話をしてたんだ。って、いきなり入ってくるなよ〜。」
「いきなり入らなくてどうやって入るのよ。」
「あ、それは言えてる。」
「ハル殿、今日も早いのぅ。月人殿に会いたいからかい?」
「たまたまです。早くても遅くても、月人には会えますから。」
「酷いな、ハルは。」
「いつものことでしょ。」
「では、私はこれにて。お二人さんの邪魔をしてはならぬからな。」
素戔嗚様が教室を出ていったのを見計らって私は月人にさっきのことを問いただした。
「何話してたの?」
「何でもないよ〜。それに、俺が素戔嗚様と一緒に居ても何ら珍しいことはないだろう?」
ってことを言われた私は、何も言えなくなってしまった。
そんな矢先、今まで何とも思っていなかった月読様のことを意識することになる事件が起こるの…。