D.G-SS.B

□日常的Lovers
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前触れなく、ふれた吐息に重たい瞼を開ける。

ゆっくりと瞬きを繰り返せば至近距離に見慣れた端正な顔。

「…こら。なに寝込み襲ってるの」

「お前がこんなところに転がってるからだろ」

言いながら、撫でられるくすぐったさに笑う。

「何よ。せっかく掃除してあげたのに」

「別に頼んでねェよ」

教団内の神田の部屋。

引越しが決まったと言うのに、案の定、何の片付けもされていない。

いつもどおりの気安さで、自分や科学班の準備の合間に入り込んでいろいろいじった。

元々、物の無い部屋だけど、だからと言って何にもしなくていいというわけじゃない。

…なのに、まったく。感謝の言葉もないの?

自分の上に圧し掛かる相手をひと睨みしてまた目を閉じる。

日付が変わったあたりで疲労を覚えたところまでは覚えているけど、その後このベッドで眠ってしまったんだろう。

ようやく戻ってきたらしい薄情な部屋の主を無視して、睡魔に身を委ねようとする。

…なのに、髪を梳く指や耳元をくすぐる吐息、触れてくる体温に意識が乱される。

くっつく目を無理やりこじ開けて彼を見上げた。

いつもは大好きな香りと温もりだけど今はとにかく眠たい。

「もう。自分のベッドに寝てるってだけで襲うわけ?」

「…そうだな。転がってるのがお前なら」






日常的Lovers




…なに赤くなってんだ、今更

うるさいな!
(ふいうちなのよ、いつも!!)




end.


2008.6.12




本部引越しにゃーにゃー事件の前日らしいです


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