D.G-SS
□ぷちリンとミニ・ホワイティ
1ページ/1ページ
―それは、何の変哲もない、ある晴れた昼下がりの出来事。
「リーナリー! 神田くーん、ユーリちゃーん!」
喜色満面、スキップしそうな勢いで、本部を駆け抜けていくのは科学班室長のコムイ・リーである。
「ついに完成! 子守用ロボット、『ぷちコムリン』ス・リー!!」
…などと、宣言し終わる暇もあらばこそ。
―音もなく鞘走る銀光。
的確に一閃した斬撃により、その無機物は綺麗に両断されていた。
ドォン!
「あぁあぁあ! ぷちコムリン3が!!」
何てことするんだい、神田くん!
非難の声を上げるコムイに対して、応えるのは怒りを湛えた絶対零度の眼差しで。
「それはこっちのセリフだ。テメェ」
六幻を手に立ちはだかる神田の後ろでは、生後半年の愛娘を抱きしめたリナリーが深い溜め息をついた。
「…兄さん、何度も言うようだけどコムリンはいらないから」
「いや違うよ、リナリー。これはコムリンじゃなくて、子守専用のぷちコムリン…」
「どっちにしてもいらないから」
「でもね、リナリ…」
「いらないから」
妹の、有無を言わさぬ満面笑顔に悄々としょぼくれ、両の指を突っつき合わせるコムイである。
「ボクだって可愛い姪のために何かしたいんだよぅ」
「その『可愛い姪』を殺す気か、お前は」
と、神田はどこまでも冷ややかに切り捨てる。
しかし経験上、『コムリン』=『危険物』な方程式が二人の、いやコムイ以外の人間にとっての常識なので仕方ない。
ちなみに、今までの『1』は神田の『一幻』に、『2』はリナリーの『霧風』によって瞬殺されている。
「重ね重ねひどいや、神田くん! 君には義兄をたてようという気持ちはないの!?」
「ねェな」
わぎゃわぎゃ騒ぐ大人たちを尻目に、小さな赤ん坊だけがキョトンと大きな瞳を瞬かせた。
「またやってんのか、あの一家は」
「室長も懲りないからねぇ」
騒ぎを遠巻きに眺めながら、キャッシュは呆れ、ジョニーは達観。
…ちなみにこの子守ロボ騒動は、リーバー班長とロブにより『迷子防止用発信機付き・追尾型通信ゴーレム(小/白色)』が開発されるまで続いたという。
ぷちリンとミニ・ホワイティ
どーしてそっちは良くて、ぷちコムリンは駄目なのさ!
危ねぇからに決まってんだろ
ごめんね、兄さん
えんど♪
―――――――
イベント時に、いずき様と「既に神田はコムイの義弟」と盛り上がらせて頂いたことにより作成いたしました!
コムイを含めた一家を猛烈に書きたくなりまして(笑)
いずき様、インスピをありがとうございます
そんなわけでウチの神リナ長女の後ろにはミニ・ホワイトゴーレムがパタパタ飛んでることに相成りました
(絵的にきっと可愛いなあ!)
私的にはこの後、ブリジット補佐官が義姉として加わって下さればいうことないです(笑)
最後までお付き合いありがとうございました(*^o^*)