D.G-SS
□rose taste
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朝の食堂で。
足を踏み入れるなり目撃してしまった場面がある。
テーブルを二つほど挟んで、目を合わせたミランダさんとラビ。
その途端、ぴくんと全身で反応して顔を赤らめる彼女と、楽しそうな笑みで小さく手を振る彼と。
昨日までなら、単に笑って挨拶するだけだったミランダさんのあからさまな変化にいろいろと気がつかされた。
「…ラビ」
「おう、おはよう。アレン」
後ろから声をかければ、どこか浮き足立って見える笑顔で彼が振り向く。
「とりあえず、おめでとうございます」
「えー? なにが?」
へらっとして、すっとぼけるラビにこちらも最上級の笑顔を返した。
「何かムカついたんで、イノセンス発動していいですか?」
「命が惜しいんで遠慮しときマス」
乾いた笑みで二、三歩後退する姿にも惚気というか余裕が感じられるような気がしたり。
「ラビ」
「ほ〜い」
一応、聞いてあげますけどと前置きして、その緑の隻眼を覗き込む。
「両想いになった気分はいかがですか?」
尋ねれば、ラビは一瞬きょとりとまばたいた後。
甘くも切なくも見える、儚げな微笑を浮かべて
「…そうさね。例えるなら」
薔薇を一本、丸ごと飲み込んだみたいな
目眩がするくらいの芳香と、ちくりと胸を刺す痛み
END.
オフ活動の方で、おまけ配布したもの
ラビミラって、鮮烈な赤薔薇とかよりも、ピンク色のバラが似合いそう
それか淡いオレンジがいいなと思っていたりします