D.G-SS
□SUIMINデート
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昼下がりから更にしばらく経った、人もまばらな談話室。
マリはその中をゆったりと歩んで、やがて見当をつけていた一角のソファを後ろから伺った。
そこでは、この教団には不似合いなくらいに小さな体が二つ、肩寄せ合って寝息を立てている。
周りにはついさきほどまで彼らの手にあった絵本やら課題やらが散らばって。
マリはその様子に微笑んで、起こすのはもう少ししてからにしようと思う。
小さな二人にそっとコートをかけてやり離れた。
リナリーはふわふわとまどろんでいた。
在るのは見知らぬ場所。
でも柔らかに明るくて。ほんわりと暖かくて。
居心地は悪くない。
それに、右手の先には確かな温もりがある。
姿ははっきりしないけど、彼女はそれが誰だか良く分かっていた。
彼がそこにいるなら、知らない場所だってなんだって全然平気だ。
すっかり安心して、ただ一緒に在り続けた。
どちらとも無い身じろぎで体制が崩れ、二人は同時に目を覚ました。
くっつく目蓋をこすりながらリナリーが隣を見ると、やはりそこにいるのは神田で。
同じように眠気を残した瞳でこちらを見ているから。
少女が見た夢の話をしようかとあのね、と口を開きかけると。
「…ゆめのなかまで、ついてくんじゃねぇ」
寝ぼけ眼でぶっきらぼうに呟く少年が居て。
セリフを取られた少女はしばし瞬いた後、面白そうに微笑った。
SUIMINデート
まどろみの中でも共に
end.
2008.1211
小さな頃から無自覚にバカップルだったと信じています
神リナ☆イノセンス