D.G-SS

□Family convesation
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「マーくんの言うこと聞きなさい、ユーくん」

「…どいて下さい」

「可愛い息子達のお見舞いに来たんだよ。ベッドに戻りなさい、ユーくん」

「息子じゃねェし。教団に戻った途端、その呼び方になるのやめて下さい」

「弟子は我が子も同然じゃないか。照れないで家にいるときくらいは私に甘えておいで」



教団の医療室にて。例によって例のごとくの師弟のやり取りに、マリは溜め息をついた。

案の定神田が暴れ出し、憤然と出て行こうとするさなか。

「ユーくん」

呼びかけに、不機嫌ながら一応は振り返れば彼の師匠はニッコリ笑った。

「それ、暖かそうだね」

「!」

手編みかい?と続いた言葉に彼は顔を赤くして眦を釣り上げる。


―バンッ!!


ドアを壊さんばかりの勢いで出て行った弟子の姿をあくまでにこにこと眺めやるティエドール。

「すみません、師匠」

「いやいやああいう子ほど可愛いものだ」

謝るもう一人の弟子の傍へと腰かけながら、元帥が不意に真剣な顔になった。

「…ときに、マーくん」

「はい?」

マリが首を傾げると師は手元をそわそわとさせ視線を横に流してから、また向き直ってそぉっと呟く。

「その…リナリー・リーとユーくんはどうなっているのかな?」

「…と、いいますと…」

「こんな時代だからね。話は早い方が良いと思うんだが」

…何の話ですか、とはさすがに訊かなかったが。

急にそんな話を振られても、答える術を持たないマリとしては沈黙せざるを得ない。

「ドレスもいいが、やはり和式や中華式にするんだろうか」

「…はぁ」

「素敵だろう、マーくん。あんな義妹ができたら」

そうですね、と言っていいものかどうなのか。

困るばかりの弟子を尻目に師の方はうっとりと夢想を続ける。

「義娘か…。そうだ、彼女のことは何て呼べばいいかな」

「………」

「リナリーちゃんかな。いや、可愛らしく親しげにリナちゃんの方がいいかね」

うーんと真剣に頭を悩ますティエドールと二の句が継げないでいるマリと。

「あの二人の子供なら、絶対可愛いだろう。最初は女の子がいいかなぁ」

でもあんまり可愛いと、ユーくんのことだから私に抱っこさせてくれないかも…なんて目の前で落ち込まれても本気で困るのだが。

きっと師の頭の中では幸せに微笑みあう二人の姿が、芸術的な絵図として展開されているのだろう。

それはそれで構わないのだが、自分をそれに付き合わせるのは正直勘弁してほしかった。




Family convesation




名づけ親を頼まれたらどうしようか
一緒に考えてくれるかい?
マーくん


…いや、あの。師匠…




END
2008.11.16






ティエ家大好き(笑)


135夜。
あの神田が羽織ってる上着が妙に似合ってて可愛くて。
リナリーの手編みだったらな、と思ったんですが。
(それでこんなの書いた)
アレンの着てるのとデザイン同じで色違いなところ見ると、支給品ぽい…(チッ)

なのでお蔵入りにしてましたが,
のっけてみました。
妄想するのは自由ですよね〜(笑)










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