D.G-SS
□初々しい二人を尾行
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*現代パラ
…それは、珍しくアレンのバイトが無い休日のこと。
食料の調達でもと外出した彼は、賑わう街角で何やら奇妙なものを見止めた。
隠れてはいるが、あの赤毛は見紛い様がない。
「…何やってんですか、ラビ」
「うぉっ! アレン」
そっと近づいて声をかければ、デジカメを構えたラビが慌てて振り返る。
「驚かすなって〜。誰かと思ったさ」
胸を撫で下ろす相手にアレンが胡乱げな目を向ければ、ひょいと道の先を示される。
促されるままに視線をやると、人混みの中には
「…リナリーと神田じゃないですか」
見覚えのある二人組の後ろ姿。
でも幼なじみである彼らが一緒に居る事など別に大して珍しくも何ともない。
だからなんだと向き直れば、ラビは何故だか偉そうに胸を張って。
「今日は記念すべき、二人の初デートなんさ〜!」
「………」
…ああ、そうですか。
言われてみれば、最近ようやく『タダの幼なじみ』から一歩進んだ関係になったらしいと漏れ訊いた気もするが。
だからと言って、下手に関わった所で砂糖を吐く羽目になるだけで、腹も膨れないアレンとしては半眼で沈黙する他ない。
反応の薄い相手に、ラビが逆に首を傾げた。
「あれ、興味ナイ?」
ありません、と答えようとした所で学園きっての報道部記者がカラカラと笑う。
「アレンの事だから、またからかうネタが増える〜って、食いついてくるかと思ったのに」
…なーんて、というセリフが終わるよりも先にラビの肩に置かれる手。
ぎくり、と一瞬体を強ばらせる彼にアレンがにっこりと笑った。
「神田がヘマをやらかさないように、温かく見守ってやるのも友人の務めですよね」
…その笑顔たるや、懺悔を受け入れる神父さまのように神々しくあるのに。
周りを渦巻くドス黒いブラックオーラがとんでもなくミスマッチに展開されているのは何故だろうか。
余計なことを言ったかも、などとラビが後悔する暇もあればこそ。
びしりッ!とばかりにアレンは明後日の方向を指し、宣言した。
「さぁ、ラビ! 行きますよ!!」
「…え?lll;」
初々しい二人を尾行
見失ったりしたら挽き肉にしますからね?(にこ)
えぇ!? 俺!?
END
Blogに落書き(?)したSS
続くのか続かないのかは謎
(丸投げた!!)
Title by 『PARISO』様