D.G-SS

□この想い、ノンストップ!
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「はい、これでいいわ」

「ありがとさ〜。婦長」

「いいえ。次からはもう少し身の回りに気をつけた方がいいかもしれないわね」

手際よく手当を終えた相手から、気遣いの御小言をもらい、肩を竦める。

改めて礼を言い、医務室を出ようと踵を返した。

…と、その時。



バタバタバタバタ、べしゃ、…がば! バタバタバタン!


バン!!!


「ラビくん!!!!」




いきなり開け放たれた扉に、居合わせた一同の視線が集中する。

そこには仁王立ちで、目を潤ませ蒼白になったミランダが。

しかも恐らく転んだり滑ったりぶつけたりしたんだろうことが明々白々なボロボロ状態。

その惨状に、思わず一瞬、全員が固まり目を見張る。

当の本人はそんな諸々には頓着せずに、目当ての人物へと一足飛びに駆け寄った。

「ラビくんッ!」

「うぉあっ!?」

強烈なタックルを喰らって、彼女を抱きとめたその勢いのまま、ラビは尻もちをついた。

ひっくり返ってミランダを上に乗っけた格好で目を白黒させる。

「ミ、ミ、ミランダ?」

「ラビくん、よかった…!」

面食らう彼にお構いなしに、その腕の中でミランダはくすんくすんと鼻を鳴らす。

「いったいどしたんさ。そんな慌てて」

「だって、皆が…ラビくんが、大変だって…言うから…っ」

…そんなこんなで、嗚咽まじりに彼女が語ったところによると。

『ラビが医務室に行った』『どうやらケガ』『食堂でなんか大変だったらしい』

そんな言葉を聞きかじってパニックになった模様。

アレンとじゃれてて、淹れたての熱いお茶を倒して火傷した、というだけのことなのだが。

緩やかに波打つ髪を撫でさすりながら、苦笑。

ああもう。

嬉しいけど、おちおちケガもできない。




この想い、ノンストップ!




ラビくん、ラビくん!
無事でよかった!!

…いや、ミランダ。
むしろアンタが無事じゃないさ…




end.


2008.6.4

このあと二人は婦長のお説教を食らったそうです(笑)

ラビミラ萌! ミランダ可愛いよ!!
137夜を見て「うわ、ここにも夫婦が!」と思いました。(ちなみに一組目は神リナだ)




Title by 『天使祝詞』様

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