D.G-SS TitleW2

□キスの法則
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Auf die Hande kust die Achtung,
Freundschaft auf die offne Stirn,
Auf die Wange Wohlgefallen,
Sel'ge Liebe auf den Mund;
Aufs geschlosne Aug' die Sehnsucht,
In die hohle Hand Verlangen,
Arm und Nacken die Begierde,
Ubrall sonst die Raserei.

Franz Grillparzer "Kus"(1819)

手なら尊敬。

額なら友情。

頬なら厚意。

唇なら愛情。

瞼なら憧れ。

掌なら懇願。

腕と首なら欲望。

それ以外は、狂気の沙汰。

フランツ・グリルパルツァー
「接吻」




ころころころん、と足元に毛糸玉が転がってきた。

それを拾い上げて上向くと、駆け寄ってくるリナリーがいた。

「ごめん、ありがとうラビ!」

「ほい」

毛糸の詰まった紙袋を抱える彼女に、拾ったそれを返す。

編み物。今、リナリーとミランダがハマっている共通の趣味だ。

婦長あたりも巻き込んで、なんかいろいろ作ろうとしている。

ちなみに袋の中の毛糸はスマートな色合いのもので、さてはユウの分かな、と思ったりする。

「どう、完成しそう?」

「うーん、…なかなか進まなくて」

あはは、と苦笑して髪をかきあげる仕草をした彼女に、ふと、進みの悪いワケを理解した。

「あー…、うん。そうかもね」

「え? なに?」

「…いや、その」

なんとなく口ごもり、彼女に向って、首のあたりをちょいちょいと掻いてみせる。

…首のトコ。耳の、ちょっと下の方。

「!!!」

こっちが言いたい事に気がついたらしいリナリーが、赤くなって、バッとそのあたりを押さえた。

とたん、また転がり落ちる毛糸玉が数個。

微妙な沈黙で、お互いそれを拾い集める。

「…まぁ、頑張って」

「う、うん…」

リナリーは赤い顔のまま、ぎこちなく頷いた。

あーあ。

ユウ、気持ちはわかるけど。

…ちょっと自重した方がいいかもしんないさ。




END?

ーーーーーーー

…あれ、神田出てこなかっ…(おい

何があったかは、いつか(笑

ラビミラが本編で、神リナはおまけ的話?

「キスの法則」でSS書いちゃおう!!』より

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