□今の彼の存在理由
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side A

彼は本気で戦ってくれた。
彼は怨んで(うらんで)いただろう。
彼は哀しんでいただろう。

彼が独りで泣いていたと彼女は言っていた。
だったら、俺が助けなきゃ
それが幼い頃から変わらない俺の役目だ。
彼は昔から助けを求めることが多かった。
けれど、彼が助けを求めるのはいつも必ず俺だったから。

本当はすごく嬉しかった。
彼は変わらずそのままでいてくれた。
それが俺にはこの上ない贈り物。
ありがとう。
口の端に笑みが浮かぶ。
ありがとう。
だから、手を繋ぐ。
偽りの君とでもいい。
だって戦争が終わるまでは強い彼が必要だから。


でも戦争が終わったら
元の彼と2人でやり直そう。
あの別れの続きを
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