コードギアス

□約束の花
2ページ/2ページ

彼から
のばされた手
やっと、とることができた。

約束の花(side L)
彼から手をのばされたのは3度目
俺が落ちそうになると必ず救い上げてくれる手は自分から掴んだら決して離さないことをわかっている。だからスザクの手だけは無条件でとることができる。そうか…スザクは変わってなかったんだな。昔から頑固で一度自分でこうと決めたら、俺の意見なんて聞きもしないけれど、いつも彼は自分の意志で俺を選んで手をのばしてくれる。彼があの頃のままだったのだとわかると、今まで彼に対して抱いていた負の感情がすっと霧散していき、残ったのは…
その感情の名を探していると、唐突にそれまで緩く繋いでいただけの手を強く握られ抱き寄せられた。
直後俺の座り込んでいた場所に着弾。

「ゼロの確保ご苦労でした枢木卿」
聞こえた声は知らない。けれど、その内容は俺を再び地獄へと突き落とすもの。
「ス…ザ…ク…お前」
またいなくなるのか?
また俺を裏切るのか?
やっと手が届いたのに!!
だが彼から聞こえた声は甘く甘く
「誤解しないで」
信じていいのだろうか?もう一度…
「さぁ、ゼロを渡してもらおうか」「彼はゼロではありませんよ…」間髪入れずにスザクが答える。あぁ、やはりスザクは…。「ルルは…俺の全てだ」言い終わると同時にスザクは周りの兵士数人をなぎ倒した。
相手は一般兵だが数が多い!!このままではスザクが!!
「スザクッ!!」俺は咄嗟に俺をかばい前に立っていたスザクの名を呼んだ。スザクにならこれでわかるはずだ。事実彼は振り返らない。
「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる」
できること
彼を守るために今俺にできることは
「貴様達は…死ね」

目の前には俺命令通りに死んだ軍人達。
「いいの?あの人はシュナイゼルの側近だよ?」スザクがあの頃と変わらぬ笑顔で問いかけてくる。
「別に構わない。第一顔を見られたからな…それより…」そう、そんなことどうでもよくて
「ん?」「お前こそ…いい…のか?」訊くのは怖い。だがスザクはふんわりと笑って言った。「うん、だって思い出したからね」「思い出した?」「そう。ここで約束したこと」
約束か、なら俺は…

『僕がスザクを首相にしてやる』

あの約束を今度こそ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ