□禁句
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遅れて帰投したジャスティスはリフターを失っている。彼のことだ。きっとまた無茶な戦い方をしたのだろう。
全く人のことは過保護なくらい心配するのに、どうしてこうも自分のことには無関心なんだろうか?
「アスラン、終わった?」何が、とは言わない。思えば自分達の間で交わされる会話は昔からこうだった。
「一応はな」彼の表情は他人にはわかりにくい。けれど、僕はその眼が苦しみに歪むのを見た。

「ごめんね」

そう言いたいのに
彼に謝罪は届かない。
だって、彼は僕を殺そうとした人に会いに行って
彼の苦しみの大部分は僕だから
それは驕りではなくて
紛れもない事実

だから僕は彼を抱き締めることしかできなかった。

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