コードギアス

□約束の花
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今度こそと
のばした手
やっと掴めた。

約束の花(side S)

僕から手をのばしたのは3度目
最初は遊びで登った丘で彼が落ちそうになったあの始まりの日
次はアーサーを探して屋根の上に登った時

そういえば彼はいつもそうだ。
僕から差し出した手を拒んだことはない。
僕は彼が差し出した手をとったことなどないのに…
あぁ、そうか。彼は変わってなどいなかったんだ。何処までも僕に優しくて、僕だけを無条件に内側に入れて、プライドが人一倍高いのに僕に頭まで下げて…可愛いなぁ〜。
そう思った瞬間耳慣れた音。
咄嗟に掴んでいた手で呆然と座り込んでいた彼を引き上げ抱き寄せた。
着弾。

「ゼロの確保ご苦労でした枢木卿」
聞こえたのはシュナイゼル皇子の側近の声
やっぱり彼は僕なんか信用していなかったらしい。
「ス…ザ…ク…お前」
彼の綺麗なアメジストに写る絶望
あぁ、そんな表情も綺麗だね。けれどまた手が届かなくなっては困る。だから「誤解しないで」と彼専用の甘い声で囁いた。
「さぁ、ゼロを渡してもらおうか」
「彼はゼロではありませんよ…」間髪入れずに答えた。ルルーシュと一緒だと久しぶりに楽しくて口元にはうっすらと笑みが浮かぶ。「ルルは…俺の全てだ」言った瞬間周りの数人をなぎ倒す。
「なっ!?」驚き慌てている奴等相手は簡単だが、どうしても数が多い。
「スザクッ!!」背中にかばっていた彼から鋭く名が呼ばれる。彼が何をするかはわかった。だから振り返らない。
「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる」彼こそは王なのだと思わせる声音
「貴様達は…死ね」

目の前には自分達の銃で死んだ軍人達。
「いいの?あの人はシュナイゼルの側近だよ?」上手く使えば使い道はあったはずなのに
「別に構わない。第一顔を見られたからな…それより…」「ん?」「お前こそ…いい…のか?」「うん、だって思い出したからね」「思い出した?」「そう。ここで約束したこと」

『俺がルルーシュを皇帝にしてやる』
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