コードギアス

□幸福論
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「うぅーん、いい天気だね。」「そうだな」
それはある晴れた日の昼休みのお話。



スザクとルルーシュは学園の中庭、草の上にそのまま腰を下ろして昼食を取っていた。ルルーシュの素っ気無い返事も気にすることなく、スザクはニコニコと満面の笑みを浮かべている。
それはそうだろう。彼の膝の上にあるのはルルーシュが彼の為に作ってくれたお弁当。中身はどれもスザクの好みと栄養バランスとを考慮して作られたもので、彼がそれだけ自分のことを考えてくれたのだと思うと嬉しくて仕方ない。
「やっぱりルルーシュの料理は美味しいね」「そうか」それに口調は素っ気無くても彼の表情はその声音を裏切る程穏やかだ。
「ご馳走さまでした」自分の作った弁当を食べ終えた彼が食べ始めた時と同じように手を合わせる。「ありがとう。本当にすごく美味しかったよ。」「それは良かった。」スザクより二回りは小さいお弁当を既に食べ終えて本を読んでいたルルーシュに改めてお礼を言う。それでも足りなくて彼に何か返せるものはないかと思ったけれど、何時軍に呼び出されるかわからない身では迂闊に約束を取り付ける訳にもいかないし…
そんな時目についたのは…
「はい」スザクが隣りにいる心地よい空間の中活字を追っていた視界に突然入ってきたのは、彼の瞳のように鮮やかな緑。「幸運」を花言葉に持つ花。
「お弁当のお礼だよ、ルルーシュ」ふわふわとした笑顔で言われ、気付けばそれを受け取ってしまっていた。「昔教えてくれただろ?」

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