dream

□Surprise 〜Happy Birthday Noctis !!〜
2ページ/2ページ





「はぁー・・・疲れた・・・」

「お疲れ様でした。王子、ご立派でしたよ」

イグニスとグラディオラスがそれぞれ呼ばれ、プロンプトはデザートを取りにテーブルへ駆け寄って行った。漸く解放されたノクティスがため息を落とす中、○○○は両手を伸ばして凝り固まった頬を手のひらで揉みほぐしていた。傷一つない柔らかな肌は、女性が羨むほどきめ細かくモチモチとしている。手触りを楽しむ○○○が悪戯に頬を摘まんで左右に伸ばすと、流石のノクティスも顔を顰めて不満の声を上げた


「ほい・・・なんれ引っ張るんらよ」

「ふふ、何言ってるか分からないです」

「はーなせって」

細い手首を掴むノクティスの手は礼服に合わせた手袋に包まれ、いつからかすっぽりと○○○の手首を覆い隠すほど大きく、掌にはグラディオラスとの稽古で出来ては潰れてを繰り返した硬い剣だこが隠れていた 


「羨ましいくらいのもち肌ですね」

「別に嬉しくねーし。○○○だって変わらねぇだろ」

「変わりますよ、私は毎日お手入れしてこれですよ?王子なんてなーんにもしてないくせに、そんなぷにぷにしててズルいです」

「つーか、なんでさっき俺から逃げたんだよ」

「何の事ですか?きっと王子の勘違い・・・ッ」

手袋に包まれたノクティスの指が○○○の手の甲を擽って絡め捕る。思わず身を引いた○○○を今度こそ逃がさない様にと、胸元まで引き寄せれば○○○の瞳が動揺の色を浮かべる。幼少から二人を知っている周りはまた王子が甘えているのかと、微笑ましい視線を向けて気にも止めないが、当人たちの思考は全く別の所にあった


「さっきニックスと何話してたんだ」

「ただの世間話と、王子の事を」

「俺?」

「そうです、王子が不貞腐れてましたねって、話していただけでそれ以上は何も」

「真っ赤になってたじゃねぇか」

「それは、からかわれただけで、っていうか・・・手、離して下さい。いつまでも子供みたいだって笑われますよ」

「やだ」

無理に振り払わない○○○がそっと手を引くが、掴まれた腕が離れる事は無い。息を吐いてノクティスの手を握り返し、瞼を伏せて○○○は小さく呟いた


「王子もお疲れ様の様ですし、別室で少し休みましょうか」

「ん・・・。何処行くんだ?」

「えと、出来れば一目に付かない所が・・・っ、お、王子!?」

裏庭、温室、思いつく場所を上げてみるがどこも警備の目が行届いていて、気を休められそうな場所がない。うーん、と唸る○○○に、ノクティスが待ちきれずに腕をグイグイと引いて歩き始める


「ったく、○○○は慣れてねーな。サボるんならいい所がある」

「さ、サボ、りじゃないですよ・・・!」

するりとノクティスに手を引かれ、晴れ舞台から姿を消した二人に気付く者は居なかった。首謀者を除いては・・・


「行ったねー」

ゼリーを片手にプロンプトが呟いた


「行ったな」

眼鏡を押し上げてイグニスの言葉続く


「こうも順調に進むと拍子抜けだな。つーか扱い易すぎだろアイツ」

「○○○さんも演技派だよねぇ・・・」

「いや、○○○のアレは演技じゃないと思うが」

腕を組んだグラディオラスが計画通りだと鼻で笑い、二人の様子を思い出してイグニスとプロンプトが頷いた


「っと、こんなゆっくりしてらんないって!ほら二人共移動移動!」

「分かってるっつの。つか二人っきりになって、シ始めてたらどーすんだ?」

「・・・○○○に限ってそんな事、」

「わかんねぇぞ?ノクトの理性がどこまで持つか、だな」

煽るグラディオラスを視線で制し、イグニスは足早にプロンプトの後を追った











「ふう、やっと外せる」

会場から逃げ出したノクティスは使われていない客間に○○○を連れ込んで、どさりとベッドに座った。首元を締め付けるネクタイを片手で緩めながら、整えられた髪を無造作に崩しているとため息交じりの声が聞こえて、髪の隙間から視線を上げた


「?」

「あぁ、勿体ない・・・」




「何が?」

「・・・王子の正装姿、滅多に見れないです」

「ふぅん、別に普通だろ」

「おでこ出してる姿も珍しいですよね」

「・・・あんまり好きじゃねーんだよ」

「おでこが、ですか?」

「そ。昔よく○○○に前髪上げられて、グラディオに丸出しのデコ叩かれたの思い出すんだって」

「あぁ、そういう事もありましたね。目に掛かると良くないって言われてきましたし、前髪の跳ねている王子も可愛かったなぁ・・・」

ほわほわと昔を思い出す○○○に苦い顔を浮かべるノクティスがジャケットを脱ぎ捨て、○○○の身体を勢い良く引き寄せた。ベッドに座るノクティスが軽く受け止め、流れる様に押し倒すと両手を縫い付けられた


「ホント、今日は格段にエロい格好だな」

「・・・これが良いって言ったのはノクティス王子ですよ」

「知ってる。だから選んだんだからな」

「じゃあ私の所為みたいな言い方しないでくださいよ」

むすりと見上げる○○○は桜色の艶やかな唇に貪りつこうと顔を近づける、が。その西端な顔から逃げる様に○○○が顔を背けた


「なんだよ」

「だ、駄目です」

「じゃあコッチは?」

羞恥心を滲ませる○○○を煽る様に、右手をドレスのスリットへと差し込んでなぞりあげる。指先に引っ掛かるショーツの紐を絡ませながら手触りの良い肌を往復すると手のひらから、ひくりと震えが伝わった


「あっ、ま、待って!今は駄目・・・っ」

「今は?いつなら良いんだよ」

「い、いつって、いつでも、駄目・・・ですっ」

今すぐにでも膨れ上がりそうな情事の気配に、○○○は必死でノクティスを制止する。スルスルと撫でまわす手が腰を辿り、柔らかい胸の上に添えられる。普段とは違い下着を身に着けていない胸は無防備にノクティスの手を迎え、快感を待ちわびていた


「ッ、やあッ・・・!」

「勃ってんじゃん。なぁ、さっきから何隠してるんだ?」

「隠してなんか・・・っふぅ!」

「ほら、今も我慢してんじゃん」

「王子っ、もしかして分かっててわざと・・・!」

「だから何がだよ」

くにくにと与えられる快感の最中の会話は上手く噛み合わず 、聞き出そうとするノクティスと、快楽に耐える○○○の攻防が続いた。次第に潤ってくる自分の身体に顔を歪めながら、一秒でも早く彼らの計画が実行されるのを待っていた


「声殺してたら気持ちよくなんねぇだろ、なぁ・・・○○○」

「やっ、だ・・・めぇ・・・!」

とろける様な声でノクティスに甘く囁かれ、○○○が昂ぶる熱に涙を滲ませた、その時部屋のクローゼットが音を立てて開かれた


「ノークトー!誕生日おっめでとー!!え・・・、・・・あれ」

「はぁ、遅かったか」

「だから言っただろ?」

ケーキを片手にやけに明るいプロンプトの声。そしてそれに重なる様に、イグニスのため息と、やっぱりな、と笑うグラディオの声が響いた。三人の目の前にはベッドに押し倒され、片手を押えつけられて涙を浮かべる○○○、そしてその○○○に乗り上げ胸元を弄って欲情をぶつけるノクティスがそのままの姿で固まっていた


「は・・・?」

ノクティスの口から漏れた間の抜けた声で我に返った○○○は、自らの胸に置かれた手を退けて捲られたドレスの裾を正した


「な、んで・・・お前らがいるんだよ・・・」

「えと、ノクトの誕生日サプライズ、的な?」

「はぁ!?」

「まさかこんな事になってるとは思わなくて!!ごめん!!」

「お前らもか!?」

情事の一部を友人に目撃され真っ赤になったノクティスは、プロンプトの後ろで口元を押さえて肩を震わせるイグニスとグラディオラスに視線を向けるが、その表情を見れば共犯なのは一目瞭然だった


「マジかよ、お前ら・・・ほんとバッカじゃねーの!しかも穴あきクローゼットまで、良く覚えてたな」

「あっ、これはイグニスの案!」

「元々はノクトが開けた穴だ、多少広げた所で穴は穴だろう?」

こっそりスタンバイが出来る様に、隣の客間の壁とクローゼットには大きな穴が開けられている。それはシフト移動を覚えたばかりのノクティスが若気の至りで開けた穴だった

しかしノクティスの記憶にあるのは子供がギリギリ一人通れる程の大きさだったはずだったが、今では大人が潜れる程に拡張されていた・・・。こっそり家具で隠し、誰にもバレていないと思っていただけに、ちゃっかり悪用されていた事実に笑いがこみ上げてくる


「マジで・・・、っ、はは!あり得ねぇだろ、俺が開けた穴っ、勝手に、広げてるし・・・!!」

ノクティス声は笑いで震え、言葉の最後は切れ切れになっている。珍しく呼吸が出来なくなる程笑い転げるノクティスに、笑い声が重なった


「ふふ、王子が喜んでくれて良かったね」

「絶対怒られると思ったよね、だって○○○さんとノクトがイチャイチャしてるから入るタイミングが見つからなくて」

「そ、その事については忘れてね・・・!」

未だ手の上に乗る小さめのホールケーキを掲げるプロンプトに便乗して、グラディオラスがニヤニヤとノクティスの肩に腕を回した


「ノクトの下でアンアン言ってる○○○も誕生日プレゼントだからな」

「ちょ、ちょっと!私そんな事言ってない!言ってないから!」

「ほんとお前等・・・どこまで見てたんだよ」

「そりゃあ言えねえな。それよりどうだった?」

「・・・何が」

「決まってんだろ、○○○だよ○○○」

コソコソと言葉を交わす二人を横目に、○○○は重い息を吐いてイグニスの横で安全を確保する


「イグニス持って来てくれた?」

「あぁ、だが・・・これは本当に必要なのか?」

「当たり前じゃない!これが無いと誕生日って感じがしないもの」

「・・・そうか」

イグニスから細長い布を受け取ると、最大級の笑顔を浮かべた○○○がノクティスへとその布を巻き付けた。白地の布は金のレースで縁取られ、真ん中には赤文字で大きなプリントが施されている


【本日の主役!!】


そう書かれたタスキを掛けたノクティスを見て○○○は満足気に頷いた


「ノクティス王子、お誕生日おめでとうございます」





---------------------------
遅刻してすみません・・・!
Happy Birthdayノクト!そしてアサクリコラボおめでとうございます!

寸止めは可哀想なので土曜にちょっとしたイチャイチャ裏夢を追加予定です


前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ