長編[ギルバート]

□極東支部
1ページ/25ページ




ジュリウス「ブラッド隊長、ジュリウス・ヴィスコンティ。以下隊員各位、到着しました」



サカキ「ようこそ極東支部へ!私がここの支部長、ペイラー・サカキだ。エミールが世話になったそうだね。できれば直接会いたいと思っていたんだ」



ロミオ「あれでしょ、マルドゥーク!撃退したのコイツですよ、コイツ!」



サカキ「なるほど、君か!ありがとう、私からも礼を言うよ」



ミコト「大したことはしてませんよ、サカキ博士」



サカキ「おや、覚えていてくれたのかい?嬉しいね」



ミコト「こちらこそ。まさか、博士が覚えていてくれてたなんて・・・正直、思ってませんでした」



ジュリウス「彼女とは、面識があったのですか?」



サカキ「随分と昔の話になるけどね。この話は、また今度にしようか。さて、すぐにでも任務に入ってもらいたいところだけど・・・・・・まずは改めて極東支部が置かれている状況について説明するよ?いま極東支部は、いくつかの大きな問題に直面している。ひとつは“黒蛛病”・・・・・・“赤い雨”を浴びることによって発症する未知の病だね。そしてもうひとつが・・・」



ジュリウス「“感応種”ですね」



サカキ「そう、いわゆる接触禁忌種と呼ばれる、新種のアラガミだ・・・・・・君ら“ブラッド”は交戦経験があるんだよね?」



その言葉に、ジュリウスは頷いた



サカキ「知っての通り、感応種は“偏食場”、つまり強力な感応波を用いて、周囲のアラガミを従わせる、特異な能力を持っている。神機もオラクル細胞のかたまり、要するにアラガミの一種だ。普通なら感応種の影響で、機能停止してしまうけど・・・・・・君達“ブラッド”はその感応波の干渉を押しのけて、これを撃退した・・・・・・実に素晴らしい、とても心強いよ。さて・・・・・・“赤い雨”と“感応種”、この二つの問題の解決を、君達にも協力してほしい、というわけさ・・・どうだろう?」



ジュリウス「ええ、承りました。最善を尽くしましょう」



サカキ「ありがとう、こちらも惜しみないサポートをしよう。ここを自分たちの家だと思って、くつろいでくれれば幸いだ・・・・・・さて、話が長くなってしまったね」



コウタ「博士ー!歓迎会のスケジュール、みんなに聞いてきましたよ・・・・・・あれ、もしかして、ブラッドの人達?」



サカキ「ありがとう、コウタ君。そうだよ、彼らがブラッドだ」



コウタ「極東支部第一部隊隊長、藤木コウタです。これから、よろしくね!」



ミコト「?」



ジュリウス「ブラッド隊長、ジュリウス・ヴィスコンティです。こちらこそよろしくお願いします」



コウタ「あー、今は歓迎会の準備してるからさ。その間、ゆっくり極東支部を見て回ると、イイよ!」



ナナ「ねえねえ、コウタさん!歓迎会って私達の?どんな、ごちそうが出るんですか!?」



ロミオ「ナナ、いきなりそれかよ!図々しいぞ!」



コウタ「お、期待しといていいよ。極東のメシはうまいぞー!」



ナナ「え、ホントですか!?」



ロミオ「やったー!」



ミコト「なんだかんだ言っても、先輩もはしゃいでますよねー」



ロミオ「うっ・・・」



ミコト「それよりサカキ博士。彼が、今の第一部隊の隊長さんですか?」



サカキ「そうだよ。リンドウ君は今、極東を離れていてね。ここにはいないんだよ」



ミコト「そうですか・・・」




















〜エントランス二階〜



エミール「やあ、君じゃないか。ごきげんよう!」



ミコト「ご、ごきげんよう・・・」



エリナ「あなたがブラッドの副隊長さん?私はエリナ、エリナ・デア=フォーゲルヴァイデといいます」



ミコト「柊ミコトです」



エリナ「私達は、極東支部第一部隊所属のゴッドイーターで・・・」



エミール「極東はどうだい?フライアも優雅だが、ここはここで趣があるだろう。土と油の匂い、それは決して不快ではない。むしろ懸命に生きる人々の活力が伝わってくる。さらにその中で一杯の紅茶を飲む。それら全ての匂いが混ぜ合わさった時に感じるんだ・・・・・・ああ、僕は彼らを護り、また僕も彼らに護られているのだと」



エリナ「エミールうるさい!」



エミール「む、どうしたエリナよ。新しい極東の仲間同士親睦を深めるべく・・・」



エリナ「私が話してるんでしょ!」



エミール「そう!ここにいるのはエリナ。我が盟友、エリック・デア=フォーゲルヴァイデの妹、すなわち・・・このエミール・フォン=シュトラスブルクの妹と思ってくれればいい」



エリナ「誰があんたの妹よ!」



コウタ「ああ、いたいた。エミール、エリナ、任務だ・・・・・・げ、早速もめてやがる・・・」



ミコト「あ、コウタさん・・・」



コウタ「ホントごめん!こいつらはエリナとエミール、第一部隊の隊員だ。エミールの方はもう会ってるんだったよな」



ミコト「あ、はい」



コウタ「二人とも筋は悪くないんだが。ちょっとまあ、ご覧のとおりアレでな・・・」



エミール「む、改善すべき点があれば、どんどんご指導願いたい」



エリナ「ちょっと、私をこいつと一緒にしないでくださいよ!」



コウタ「もう、わかったわかった。まぁ、これから仲良くしてやってよ」



ミコト「はい。こちらこそ、仲良くしてくださいね」



エミール「勿論だ!我がライバルよ、ここ極東で競い合い、共にさらなる高みを目指そうではないか!」



エリナ「・・・・・・よろしく」
次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ