長編[ギルバート]
□極東支部
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ジュリウス「ブラッド隊長、ジュリウス・ヴィスコンティ。以下隊員各位、到着しました」
サカキ「ようこそ極東支部へ!私がここの支部長、ペイラー・サカキだ。エミールが世話になったそうだね。できれば直接会いたいと思っていたんだ」
ロミオ「あれでしょ、マルドゥーク!撃退したのコイツですよ、コイツ!」
サカキ「なるほど、君か!ありがとう、私からも礼を言うよ」
ミコト「大したことはしてませんよ、サカキ博士」
サカキ「おや、覚えていてくれたのかい?嬉しいね」
ミコト「こちらこそ。まさか、博士が覚えていてくれてたなんて・・・正直、思ってませんでした」
ジュリウス「彼女とは、面識があったのですか?」
サカキ「随分と昔の話になるけどね。この話は、また今度にしようか。さて、すぐにでも任務に入ってもらいたいところだけど・・・・・・まずは改めて極東支部が置かれている状況について説明するよ?いま極東支部は、いくつかの大きな問題に直面している。ひとつは“黒蛛病”・・・・・・“赤い雨”を浴びることによって発症する未知の病だね。そしてもうひとつが・・・」
ジュリウス「“感応種”ですね」
サカキ「そう、いわゆる接触禁忌種と呼ばれる、新種のアラガミだ・・・・・・君ら“ブラッド”は交戦経験があるんだよね?」
その言葉に、ジュリウスは頷いた
サカキ「知っての通り、感応種は“偏食場”、つまり強力な感応波を用いて、周囲のアラガミを従わせる、特異な能力を持っている。神機もオラクル細胞のかたまり、要するにアラガミの一種だ。普通なら感応種の影響で、機能停止してしまうけど・・・・・・君達“ブラッド”はその感応波の干渉を押しのけて、これを撃退した・・・・・・実に素晴らしい、とても心強いよ。さて・・・・・・“赤い雨”と“感応種”、この二つの問題の解決を、君達にも協力してほしい、というわけさ・・・どうだろう?」
ジュリウス「ええ、承りました。最善を尽くしましょう」
サカキ「ありがとう、こちらも惜しみないサポートをしよう。ここを自分たちの家だと思って、くつろいでくれれば幸いだ・・・・・・さて、話が長くなってしまったね」
コウタ「博士ー!歓迎会のスケジュール、みんなに聞いてきましたよ・・・・・・あれ、もしかして、ブラッドの人達?」
サカキ「ありがとう、コウタ君。そうだよ、彼らがブラッドだ」
コウタ「極東支部第一部隊隊長、藤木コウタです。これから、よろしくね!」
ミコト「?」
ジュリウス「ブラッド隊長、ジュリウス・ヴィスコンティです。こちらこそよろしくお願いします」
コウタ「あー、今は歓迎会の準備してるからさ。その間、ゆっくり極東支部を見て回ると、イイよ!」
ナナ「ねえねえ、コウタさん!歓迎会って私達の?どんな、ごちそうが出るんですか!?」
ロミオ「ナナ、いきなりそれかよ!図々しいぞ!」
コウタ「お、期待しといていいよ。極東のメシはうまいぞー!」
ナナ「え、ホントですか!?」
ロミオ「やったー!」
ミコト「なんだかんだ言っても、先輩もはしゃいでますよねー」
ロミオ「うっ・・・」
ミコト「それよりサカキ博士。彼が、今の第一部隊の隊長さんですか?」
サカキ「そうだよ。リンドウ君は今、極東を離れていてね。ここにはいないんだよ」
ミコト「そうですか・・・」
〜エントランス二階〜
エミール「やあ、君じゃないか。ごきげんよう!」
ミコト「ご、ごきげんよう・・・」
エリナ「あなたがブラッドの副隊長さん?私はエリナ、エリナ・デア=フォーゲルヴァイデといいます」
ミコト「柊ミコトです」
エリナ「私達は、極東支部第一部隊所属のゴッドイーターで・・・」
エミール「極東はどうだい?フライアも優雅だが、ここはここで趣があるだろう。土と油の匂い、それは決して不快ではない。むしろ懸命に生きる人々の活力が伝わってくる。さらにその中で一杯の紅茶を飲む。それら全ての匂いが混ぜ合わさった時に感じるんだ・・・・・・ああ、僕は彼らを護り、また僕も彼らに護られているのだと」
エリナ「エミールうるさい!」
エミール「む、どうしたエリナよ。新しい極東の仲間同士親睦を深めるべく・・・」
エリナ「私が話してるんでしょ!」
エミール「そう!ここにいるのはエリナ。我が盟友、エリック・デア=フォーゲルヴァイデの妹、すなわち・・・このエミール・フォン=シュトラスブルクの妹と思ってくれればいい」
エリナ「誰があんたの妹よ!」
コウタ「ああ、いたいた。エミール、エリナ、任務だ・・・・・・げ、早速もめてやがる・・・」
ミコト「あ、コウタさん・・・」
コウタ「ホントごめん!こいつらはエリナとエミール、第一部隊の隊員だ。エミールの方はもう会ってるんだったよな」
ミコト「あ、はい」
コウタ「二人とも筋は悪くないんだが。ちょっとまあ、ご覧のとおりアレでな・・・」
エミール「む、改善すべき点があれば、どんどんご指導願いたい」
エリナ「ちょっと、私をこいつと一緒にしないでくださいよ!」
コウタ「もう、わかったわかった。まぁ、これから仲良くしてやってよ」
ミコト「はい。こちらこそ、仲良くしてくださいね」
エミール「勿論だ!我がライバルよ、ここ極東で競い合い、共にさらなる高みを目指そうではないか!」
エリナ「・・・・・・よろしく」