長編[ギルバート]
□覚醒
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ジュリウス「今回はアラガミの数が多い。ブラッド隊も3組に分かれて、極東のゴッドイーターと共にミッションを行う。俺は単騎で行動する。お前達4人は、2つのチームに分かれてーー」
ロミオ「あ。じゃあそんなら、新人二人で組ませるのもアレだし。俺はナナと組むよ」
ナナ「へっ」
ミコト「え〜。そこでナナさん取っちゃうんですかぁ?私、泣いちゃいますよ?」
ジュリウス「・・・ではギルは、ミコトとチームを組んでくれ」
ギル「ああ」
ミコト「ぷーっ!」
ギル「不満か?」
ミコト「不満かと聞かれれば不満です!あ、でもあなたに不満はありませんよ?真っ先にナナさんを指名した、先輩に不満があります」
ロミオ「俺かよ!?」
ミコト「当然です!フツーここは、ギルさんを指名するべきです。これを機にお二人は仲直り!男の暑苦しい友情とやらを深め、もっともっと仲良くなっちゃうべきなんです!それから男同士で一線を越えて、あんなことやこんなことをーー」
ロミオ「わー!わー!!わー!!!それ以上は言うなあぁぁぁーーー!!」
ギル「【冷汗】・・・・・・」←まさかの発言に何も言えない
ナナ「え?何々?なんのこと?」
ジュリウス「・・・いや、お前は知らない方がいい」←無意識に頭を抱える
ミコト「え〜?駄目ですかぁ?」
ロミオ「当たり前だ!!」
ミコト「これだから童貞先輩は」
ロミオ「童貞言うな!!」
ジュリウス「コホンッ・・・それでは各員、極東の面々ともよくブリーフィングを行っておくように」
ナナ「じゃあ、お先にー」
ミコト〈うーん・・・やっぱり駄目でしたか〉
ジュリウス「【ぼそっ】少々時間を要することもあるさ。発言の内容はともかく、動いてくれて助かる」
ギル「ブリーフィング、行くぞ」
ミコト「あ、はーい!」
エミール「ブラッドというのは、君達か?」
その問いに、2人は同時に振り返った
エミール「フフ、緊張するのも無理はない・・・・・・だが安心したまえ!この僕が来たからには、心配は完全に無用だッ!」
ミコト「・・・・・・失礼ですが、どちら様で?」
エミール「おっと、失礼した・・・・・・僕はエミール・・・栄えある、極東支部“第一部隊”所属!エミール・フォン・シュトラスブルクだッ!」
ギル「・・・・・・そうか、よろしくな」
エミール「この“フライア”はいい船だね・・・実に、趣味がいい・・・・・・しかし!この美しい船の、祝福すべき航海を妨げるかのように・・・怒涛のような、アラガミの大群が待ち受けているという・・・・・・きっと・・・君達は不安に怯えているだろう・・・そう思うと僕は・・・・・・僕は・・・いてもたっても、いられなくなったんだッ!そういう訳で、君達には僕が同行するよ!まさに、大船に乗ったつもりでいてくれたまえ!」
ミコト「大船と言うより、ボロ船という印象が強いですねぇ。ボロ船は結構です」
エミール「遠慮はいらない、弱きを助けるのが僕の義務ッ!これこそが“騎士道精神”というものだからだッ!」
ミコト「いりません。騎士道精神ってなんですか?ミコトちゃんは女の子なので、男の子のそういうのってよくわかりません」
エミール「君は、非力を恥じているのか?いや、恥ずべきことは何もないッ。強大な敵との戦いには、この正義の助太刀こそあるべきだッ!」
ミコト「おや、お話通じてませんねぇ。帰ってもらって結構ですよ」
エミール「その心意気、わかるよ・・・・・・自分の船は、自分で守る心意気・・・・・・騎士は喰わねど・・・高楊枝ッ!気に入った!何がなんでも同行させてもらうぞ!!」
ミコト「・・・・・・ヨロシクオネガイシマス」
エミール「共に戦おうッ!人類の輝かしい未来のためにッ!!我々の勝利は、約束されているッ!」
ミコト「あ、前見て歩かないと危ないですよー・・・って、もう遅いですね。階段を豪快に転げ落ちてしまいました♪」
ギル「・・・・・・ややこしいヤツが、来たな」
ミコト「そうですね。でもいいじゃないですか、面白くて」
ギル「面白けりゃいいのかよ、お前は」
ミコト「つまんないよりは大分いいですよ?」
ギル「そーかよ・・・」
ミコト「そうなんです!まあ、ちょっと暑苦しい方だったので、思わず心の底から拒否しちゃいましたけど」
ギル「拒否はしたのか。まあ明らかに棒読みだったしな、最後」
ミコト「テヘペロッ♪」
ギル「なんだ、それ?」
ミコト「え、ギルさん知らないんですか?遅れてる〜」
ギル「うるせぇ」
ミコト「それにしても、私は紅一点ですかぁ・・・できれば女の子か、もう少し真面目そうな人に来てほしかったです」
ギル「なんで真面目そうな奴なんだ?」
ミコト「いじり甲斐あるじゃないですかぁ」
ギル「親指立てて言うな」
ミコト「え〜」