ハイキュー!!

□第6話
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授業を受けてから、放課後。いつも通りの練習が始まる。

烏養コーチが、練習!練習!練習だ!と言えば、皆いつもより気合いの入った返事だった。

――練習が終わる少し前、潔ちゃんと武田先生と先に合宿所へ向かい、晩御飯の準備を始める。


「おお…さすがマネージャー…手際がいいですね…」

『そう言う武田先生も随分慣れてるんですね』


育ち盛りの男子高校生の晩御飯なんて、想像以上の量を食べるもんだから作るのは大変だけど、綺麗に食べてくれるのは毎回嬉しい。

…ホント、作り甲斐があるんだよなぁ。


『…あ、潔ちゃん、ご飯食べたら帰ってくれていいからね』

「いや、でも洗い物…」

『これ以上遅くなっちゃうと危ないもん。何かあったら怖いし』

「じゃあ…食べたら帰るね。ごめんね」

『平気!』


と、そんなこんなでご飯が用意出来たところで、タイミングよく皆がやってきた。


「「いただきまーーす!!」」


すごい勢いで食べる1、2年に苦笑いしつつ、綺麗に平らげてくれたところで、玄関まで潔ちゃんを見送り、洗い物を始める。


『(に、しても量多いなぁ…)』


まぁ、去年も私1人で洗ったけどさ…。相変わらずすごいな、男子高校生…。


『…はぁ……』

「幸奈さん」

『ん?どうしたの、月島』

「…こっち、流すだけですか?」

『え?あ、うん。そうだけど…』


と、言えば無言で洗い流していってくれる月島。思わずふっ、と笑いが零れてしまい、何ですか。と言われた。


『ううん、ありがとう。すごく助かる』

「……」

『あ、ちょっと照れてるー。月島可愛いね』

「…やめてください」


月島のお陰で洗い物も早く済み、お礼を言えば、いえ。と素っ気ない返事をして、部屋へ戻っていった。


『…さて、私もお風呂の準備しよーっと』


3年の部屋へ行けば、先に入ったぞー!とほかほかしてる大ちゃんと孝ちゃんと旭。


『1年も上がったかな?』

「さっき日向と影山が廊下走ってたから上がってるんじゃね?」

『そっか。じゃあ私もお風呂行ってくるね。…旭、行くよ』

「今年もですか…」


髪乾かしてあげるから、と釣れもしないような言葉で無理矢理風呂場へと連れていく。


「あ、幸奈さん、旭さん」

『夕!』

「あ…今年も…ですか…」

「そうなんだよ…西谷、お前も…「お、おお俺は遠慮します!!」

『夕も髪の毛乾かしてあげようか?』

「えっ!?「釣られてる釣られてる」


旭と夕を連れて、とりあえず脱衣所に入れる。


『じゃあ先に夕から乾かしまーす!』

「おーす!」


ドライヤーで髪を解きながら温風を当てる。

すると、気持ちよかったのか、夕の頭が揺れた。


『ふふっ、気持ちいい?』

「う、す…」

「…なんか、幸奈なイヤらしい…『髪の毛毟るよ旭』


旭も終え、じゃあ風呂入ってる間外で見張りしてね。と2人を外に出しちゃっちゃと済まして出れば何故か硬直した2人。


『?なんで固まってんの』

「あ、お、幸奈!」

『え?へ?何?!』

「髪の毛は乾かそうな…!」

『は?わかってるけど…』

「幸奈さん!一旦中!中入りましょう!」

『??』


脱衣所へ押し込められそうになったとき、龍くんの姿が見え、助けてー!と呼べば、


「……」

『龍くん?』

「ぬああ!龍!!鼻血!鼻血!!」

「だ、誰かぁ!ティッシュ!」


ぎゃあぎゃあし過ぎたのか、大ちゃんの怒号が廊下に響き渡った。


「…幸奈さん。やっぱり、水も滴るイイ女…」

「龍……俺は、Tシャツがワンピースみたいになってたのが堪らなかった…」

「わかる、わかるぜ…シャツの裾から出てた真っ白なふ、太腿もエロい…エロすぎた…」

「ああ、そして何より……髪の毛降ろしてるのが、いつもと雰囲気違いすぎて…」

「わかる…わかるぞ……」

「お前ら、その会話聞かれたら殺されるぞ」
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