ハイキュー!!

□第2話
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『あれ?孝ちゃんは?』


お昼休み。いつも大ちゃんと孝ちゃんと3人で食べているのだが、今日は孝ちゃんの姿が見えない。


「あぁ、スガならすぐ出ていったぞ」

『そうなの?』


お弁当を持って孝ちゃんの席に移動し、大ちゃんと2人でお弁当を食べることに。


『……大ちゃん、何か知ってるんでしょ』

「さあな」

『あぁ、知らないフリしてるだけかぁ…優しいなあ主将』

「おまっ…!はぁ………」


ふふふ、と笑えば敵わないなぁ、と眉を下げ、頭を掻く大ちゃん。


『まあ、もう3年も一緒だからね〜』

「それもそうだな」

『…早かったね』

「ああ」

『………』


最後の1年…いや、もしかしたらもう半年もないかもしれない。

…春高まで残る、とは言ってるけど実際その時にならなきゃわからない。もしかしたらインハイで終わるかもしれない。

なら……。


『(皆で…バレーがしたい……)』

「……幸奈はわかりやすい」

『へっ?』

「最近、何かあったらアイツのこと考えてるだろ?」

『いや、そんなことは…』

「大丈夫、戻ってくる」

『……!』


…あぁ、なんだろう。私の方が…ずっとアイツと一緒に過ごしてた筈なのに……大ちゃんや孝ちゃんの方が…アイツを信頼してる………。


『……うん…そう、だよね…』

「あぁ。だから、俺達は俺達で前向いて、試合に向けて練習するぞ」

『うん…!』


――それから毎日。放課後にはグラウンドの隅でひたすら練習を続ける日向と影山(名前聞いた)の姿を見た。

昼休みは孝ちゃんがずっと日向の練習に付き合ってるみたいで。

…ついでに、


『(早朝練、ね…)』

「おい!お前ら早く片付けろ!」

「痕跡残すなよ!!」


カシャッ


「「……え」」

『ふふふ』


にこりとカメラを出せばガクガクと震える孝ちゃんと龍くん。


「なぁッ!?な、なななんで!!?」

「幸奈さん!!何やって…!」

『証拠写真』

「「(何ィーーーー!!!!)」」

『大丈夫。大ちゃんには見せないからさ』


じゃあ何に使うんだよ…とボソリと呟いた孝ちゃんに、まあ後々ね。と躱す。

とりあえず片付けをしながら日向に声を掛ける。


『日向』

「は、はい!」

『レシーブ、上手くなったね』

「!あ、あざっす!!」

「見てたのか?」

『うん。ついさっき来ただけなんだけどね』


明日の試合、楽しみだね。と言えばはい!と元気よく返事をする日向。

チラリと影山を見れば、じぃっとこちらを見つめていた。


『?なにか…?』

「いや、その…幸奈さん、って…バレー部でしたか?」

『…なんで?』

「中学の時、見たことある気がして…」

『…うん、中学の時はバレー部だったよ』

「幸奈」


孝ちゃんに手招きされ影山にじゃあ、と告げる。


『ごめん、助かった』

「ん?何が?」


そう言って笑う孝ちゃんにありがと、と小さな声で言えばにひっと笑い教室いくぞと手を引いた。

――その日の放課後もいつも通りに部活を終え、ついに、土曜日がやってきた。


『おはよございまーす』

「幸奈さん!今日も可愛い『大ちゃーん』ガン無視最高〜〜ッ!!」


試合の準備をしていると、あの2人を見つけた。


『(あ…)』

「ペコッ)…」


メガネの子…月島くんと目が合えばペコリと頭を下げられた。

隣の山口くんもすぐにペコリと頭を下げる。


「幸奈、あの2人知ってるのか?」

『あの2人の入部届けもらったの私だから…』

「なるほどな」

『何?どうかした?』

「いや、まあ、月島がな…」


なかなかいい性格してるぞ、と大ちゃんが笑った。

…うん、なるほど。すごく性格悪いんだな。

とりあえず、


『(3対3…どうなるかな、っと…)』
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