僕のヒーローアカデミア

□第3話
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「はぁぁぁ…終わった……」

「今日も1日長かった……」

「舞!すみません、今日は私、先に帰らせていただきますわ!」

「ごめん!私も今日は別で」

『え?あ、うん、またね!』


帰り際、百が慌ただしく教室を出て、響香も申し訳なさそうに行った。

…まぁ1人で帰るのは慣れてるし、今更か。

カバンを持って私も出て行けば、昇降口で見かけた後ろ姿。


『バクゴーくん』

「あ?…テメェは…」

『一緒に帰ろうよ。どうせ方向一緒なんだし』

「はあ!?なんで俺が一緒に帰んなきゃなんねえ!」

『だーかーらー、方向一緒だからっつってんでしょ』


ほら、行くよ。と彼より前を歩けば、俺の前を歩くな!とキレる爆豪くん。


『相変わらずクソみたいな性格だね。引っ越してきた時の記憶と変わらない』

「あァん?俺はテメェのことなんざ記憶にねぇっつーの」

『記憶力ないんだ。意外』

「うるせー黙れクソが!覚えてるわコラ!!」


結局覚えてんじゃんか。と笑えば、無言で頭を叩かれた。

痛い、と言えば、うるせえ。と返される。


『…私知ってるよ、爆豪くんが優しいの』

「は?」

『いつか忘れちゃったけど、雨の日だった』


道端で捨てられてた猫に、持ってたタオルで身体拭いてあげて、そのまま傘置いて帰っちゃったこと。


『家の前でお母さんに怒鳴られてたところまで見てたんだよね』

「ミャーミャーうるさかったんだクソ」

『…クラスの皆に言ったらきっとびっくりされるよ?』

「ぶっ殺す」

『女子相手にも容赦ないなぁ、ホント』

「…テメェは何がしてえんだ」

『…仲良くなりたいだけだよ、爆豪くん』


チラリ、と隣を歩く爆豪くんの顔を見ながらそう言えば、黙り込んだ彼。


「俺は仲良くなんてしたくねえ。まず、テメェのその面が気に食わねえ」

『え、それめちゃくちゃじゃない?』

「ヘラヘラしてるくせに、辛気臭ェその目が、俺は嫌いだ」

『……やっぱり、爆豪くんとは仲良くなれそうだ』


にひひ、と笑えばケッ!と顔を逸らした爆豪くん。


『…ねぇ、爆豪くん何が好きなの?』

「テメェにゃ関係ねえ」

『なんか、カツ丼とか好きそう。勝己って名前だし』

「殺すぞ」

『あ、爆豪くんって呼びづらいし勝己くんって呼ぶね。なんか語呂いいし』

「呼ぶな」

『えー、じゃあ緑谷くんが呼んでた"かっちゃん"がいい?』

「死ね」

『理不尽か』


――――――


翌日。

雄英に着いた途端、マスコミの目が私に向いた。


『…あの、通して…「オールマイトの授業はどうです!?」

『いや、だから、通し「オールマイトについて、何かないですか!?」

『……あの「オールマイトの教師としての指導はどんな感じですか!?」

『……』

「ちょっと君!聞いて……ヒッ!な、なんか彼女の周りから蒸気が…!」

『だぁから…そこ通してっつっ…てぁ!?』


グイン!と引っ張られたと思えば、彼は今日非番です。とマスコミをあしらったその人。


『イレイザ…相澤先生!』

「おら、とっとと教室行け」

『はーい!ありがとうございます!』


先生に助けられ、教室へと行けばおはよー。と響香と百に挨拶をする。


「あ、その様子じゃ朝捕まった感じ?」

『まぁ…2人も?』

「ええ…クラス全員捕まったみたいですわ」

『すごいよね、オールマイトの影響力って…』


と、話しているとクイッと引っ張られる制服の裾。

ん?と振り返れば、少し下にある視線。


「糸くずが付いてるわよ、舞ちゃん」

『あ、ありがとう!蛙吹さん!』

「梅雨ちゃんと呼んで。どういたしまして」

『ありがとう梅雨ちゃん!』


ケロ、と笑う梅雨ちゃんに、ウッ…!とダメージを食らった(可愛すぎて)

すると、ガラガラと開く扉。相澤先生が入ってくると、すぐさま席に着く皆。

…軍隊かよ。


「この間の戦闘訓練お疲れ。Vと成績見させてもらった。

爆豪。おまえもうガキみてえなマネするな。能力あるんだから」

「…………わかってる」

「で、緑谷はまた腕ぶっ壊して一件落着か。"個性"の制御…いつまでも"出来ないから仕方ない"じゃ通させねえぞ」


俺は同じこと言うのが嫌いだ。

と勝己くんと緑谷くんをフォローしたところで、さてHRの本題だ。と切り出した。


「急で悪いが今日は君らに…」

「(なんだ…!?また臨時テスト!?)」

「学級委員長を決めてもらう」

「「学校っぽいのきたーーーー!!!」」
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